コラム


開発は内製化するべき? メリットやデメリットと実現方法とは

2022年01月21日
システム導入

近年、日本企業において、システム開発の内製化が進んでいるといわれています。長らく日本企業では、SIerやベンダーに開発を外注するのが主流でした。どうして今、システム開発の内製化が注目されているのでしょうか。

本コラムでは、開発の内製化が注目される背景、メリットとデメリット、内製化を進める際のポイントを解説していきます。

内製化を検討している方は、ぜひご覧ください。

開発の内製化とは?

■開発の内製化とは

ユーザー企業がエンジニアを自社で雇用し、システム開発の必要がある際に根幹の開発を自社内で行うことを「開発の内製(インハウス)化」といいます。

■日本企業で開発の内製化が進んでいる

ITがビジネスの場で活用されるようになってから、日本企業の多くは自社で使用するシステムの開発をSIerに外注することが一般的でした。米国など海外では、自社内にIT部門を設けるケースが多いため内製は一般的ですが、日本では「システムのことはシステムのプロに任せよう」と、外注するのが主流だったのです。しかし近年、日本企業も少しずつ内製化にシフトチェンジしつつあります。とある大手企業において「システム開発の内製化を目指し、エンジニアを大量採用する」というニュースを目にした方もいるのではないでしょうか。

■開発の内製化が注目される背景

どうして今、内製化に注目が集まるのでしょうか。

・トラブル時に自社で対応するため

たとえばシステム障害が発生した際、開発をすべて外注していると、対応策について外注先と話し合う必要があるため、障害対応や復旧までに時間がかかります。また、障害の発生理由を十分に説明してもらえなければ、課題がブラックボックス化するかもしれません。開発を内製していれば、こうしたリスクも回避しやすくなります。

・市場の変化に柔軟に対応するため

加速し続ける市場の変化に対応するために、システム刷新・改修が欠かせない状況となりました。しかしシステムを外注していると、刷新・改修のたびに大きなコストが発生し、臨機応変な対応が難しいとされています。日々変わりゆく市場に素早く対応するために、企業体制が変化しはじめているのです。

また、経済産業省が2020年に発表した「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」においても、内製化は経営の迅速化を引き出す手段として示されています。

※参考: DXレポート2 中間取りまとめ(概要)/経済産業省

・開発のナレッジを貯めるため

システム開発をすべて外注していると、開発に関するナレッジを社内に蓄積することはできません。しかし、DXが加速する現在、デジタルデータの活用は競争力を高める手段として不可欠です。そのため、すべて外注という形から、内製化する動きに少しずつ転換していると考えられます。

メリット

■コストを低減できる

内製化を進めることでトータルコストの低減が見込めます。継続的に外注していた場合では、外注先への依存度が高くなることで、価格交渉力が低下することがあります。更新のたびに費用が割高となっているケースでは、内製化への切り替えによってコスト低減が叶うでしょう。また、内製に切り替えることで、外注時に起こり得る「依頼したシステムが、予想していたものと異なっていた」という問題が発生しにくくなるため、時間的コストも抑えやすくなるはずです。もちろん、内製化することで自社内における新たなコストが発生しますので、注意が必要です。

■対応がスピーディになる

内製化することで、外注時と比べ短期間で開発しやすくなります。外注先とのやりとりがなくなる分、工数か減ることで開発のスピードが上がります。また、ユーザーサイドの業務を理解している社内の人材が開発に携われば、開発スピードはさらに速くなるでしょう。また、社内であれば現場からの要求にも迅速に対応しやすいという利点もあります。

■開発のナレッジやノウハウが貯まる

システム開発を外注すると、システムに関するナレッジが社内に蓄積されません。内製化に切り替えることで社内にナレッジが貯まり、自社独自のノウハウ獲得につながるでしょう。自社の優位性や競争力を高めるためにも、貴重な経営資源であるナレッジ・ノウハウを蓄積していくことは重要だと考えられます。

デメリット

■維持・運用にはコストがかかる

外注をやめたことで外注費は削減できますが、その一方で、新たなコストが発生します。内製化のための設備や備品の手配といったイニシャルコストはもちろん、継続的に運用するにもコストがかかるでしょう。また、外注をしている際は費用対効果を意識しますが、内製化するとその意識が薄れてしまう恐れも。特に人件費へのコスト感覚は甘くなりやすいため、注意が必要です。

■品質担保が課題となる

外注先であるSIerやベンダーはシステム開発の専門家として品質が担保されていると考えられます。しかし、内製では技術・知識の不足が生じ、外注していた頃と比べて品質担保が難しくなりやすいでしょう。

■人材の獲得・育成の難易度が高い

一番頭を悩ませるのが、人材の問題です。日本は現在、IT人材の不足が続いています。内製化にIT人材の獲得は欠かせませんが、適切なメンバーを集めるのは容易ではありません。また、社内で人材育成をするとなった場合、そもそもIT人材を育成するためのノウハウを得る必要があるため、難易度は高いといえます。

開発の内製化を進める際のポイント

メリット・デメリットの検討を経て、システム開発を内製化するとなった場合、どのような点を押さえればよいのでしょうか。

■人材を採用する

内製化を進めるために最も重要と考えられるのは、人材の確保です。新たに人材を採用できる環境整備を先決するとよいでしょう。とはいえデメリットでも述べた通り、日本はIT人材が不足しているため、採用のハードルはかなり高いことを認識しなければなりません。採用だけで必要な人材が確保できない場合は、フリーランスエンジニアなど外部人材をスポットで活用し、補填していく方法もあります。「完全内製」ではなくなりますが、少なくともシステム開発のかじ取りを自社で行うようになれば、“SIerに丸投げ”のときに生じていたリスクは回避しやすくなるはずです。

■人材を育成する

採用と同時に、社内人材の育成も進めていきましょう。しかしこちらもデメリットで述べた通り、IT人材の育成には「育成のためのノウハウ」が欠かせません。ノウハウがない場合は、外部の専門家に研修を依頼したり、育成のための環境づくりといったことからスタートする必要があります。

■ノーコード開発・ローコード開発を活用する

ノーコード開発とは、ソースコードを書かずにシステムを開発する方法です。ノーコード開発ができるツールを用いれば、用意されたパーツ・テンプレートを組み合わせることで、簡単に開発ができます。ローコード開発とは、ソースコードをほとんど書かずに開発する方法です。直感的に操作ができるローコード開発のツールを使い、画面部品・ロジック部品を組み合わせることで、ゼロからプログラミングするよりも短期間で開発できます。こうしたツールの導入は、内製化を大きく後押ししてくれるでしょう。

システム内製化

まとめ

本コラムでは、開発の内製化が注目される背景、内製化によるメリットとデメリット、内製化を進める際のポイントについて解説してきました。

市場が急速に変化し続ける現代。ビジネスにおけるデータ活用の重要性を考えても、システム開発の内製化はぜひ検討したい事案です。その一方で、IT人材の確保・育成の難易度が高いという懸念があるため、そこで頭を悩ませてしまう企業も多いのではないでしょうか。

そんなときに検討いただきたいのが、外部IT人材の活用です。内製化を進めつつも、足りない部分はフリーランスエンジニアをはじめとする外部IT人材を上手に活用していく。そうすることで「中途採用だけではIT人材を賄いきれない」「育成したくても、育成するだけのノウハウがない」といった、システム開発の内製化における課題が乗り越えやすくなるはずです。

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システム開発の内製化に伴う人材不足でお悩みの際は、ぜひ HiPro Techにご相談ください。

記事監修
パーソルキャリア株式会社 HiPro Techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common(現:HiPro Biz)立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common tech(現:HiPro Tech)サービス責任者に着任。

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