SES契約はどのような契約形態なのか?人材派遣やフリーランスエージェントとの違いもあわせて解説!

SES契約はどのような契約形態なのか?人材派遣やフリーランスエージェントとの違いもあわせて解説!

最近は多くの企業でSES契約が利用されています。

皆さまもこれからSESエンジニアを活用しようと考えているのではないでしょうか。

しかし一方で、SESの契約について理解できていない人も多いようです。

SES契約は、必要なエンジニアを迅速にピンポイントで確保できる良い契約方法ですが、契約について理解がなければ、後々トラブルを生み出してしまうこともあります。

理解を深めておくことが必要です。

今回はSES契約の概要について解説します。

SES契約とは?

最初にSES契約がどのようなものかを解説します。

SESとはSystem Engineering Serviceの略

SESとはシステム・エンジニアリング・サービスを省略した言葉です。

SES契約とは準委任契約のことを指し、契約内容を簡潔に記すと業務の処理を提供する内容となります。

例えば、システムの保守をする業務や監視する業務などが挙げられます。

これも含めて、SES企業ではシステム開発に関連するサービスを提供しています。

SES企業とは

SES企業とはどのような企業をさすのか、厳密な言葉の定義はありません。

今回は以下に該当する企業が、SES企業であると考えておきましょう。

・SES事業主である
・下請けの仕事が中心である
・自社ではなくお客様先への常駐が多い

また、SES企業と言っても、全員がSESとして働いているわけではなく、自社開発を行う部署もあり、一部の人のみがSESエンジニアとして客先常駐している場合もあります。

準委任契約とは?

SES企業とは準委任契約を締結する為、準委任契約について理解しておく必要があります。

まずは準委任契約を理解しておきましょう。

業務委託契約のうちの1つ

準委任契約は業務委託契約の1つです。

一般的に業務委託契約は「準委任契約」と「請負契約」に分類されます。

準委任契約

まず、準委任契約は「決められた作業を遂行すること」に対してお金を支払うものです。

何かしらのものを完成させる「成果物責任」は無く、物が完成してもしなくても適切な業務の処理をしていればお金を支払う義務が生じます。

つまり、準委任契約では明確な成果物や達成目標がありません。

「Aシステムの開発を1ヶ月お願いする」「Bシステムのエラー監視を週に3日お願いする」などの依頼の形となります。

ただし、民法644条で「善管注意義務」と呼ばれるものが定められていて、契約内容に基づいて日々努力する必要があります。

善管注意義務を怠たる場合は契約解除や損害賠償請求の交渉ができる仕組みがあるのです。

請負契約

続いて、請負契約は「決められた作業を完成させること」に対してお金を支払うものです。

準委任契約とは異なり成果物責任がありますので、物が完成していて初めて支払い義務が生じます。

つまり、請負契約では明確な成果物や達成目標があります。

例えば「〇〇設計書通りのシステムを完成させる」「エラーの修正を20個完了させる」などです。

客観的に仕事が完了しているかどうか判断できる基準を用いて契約します。

準委任契約と請負契約の違い

  準委任契約 請負契約
概要 決められた作業を処理すること 決められた作業を完成させること
責任 善菅注意義務 成果物
その他 ※「善管注意務」と呼ばれるものが定められているため、契約内容に基づいて日々努力する必要がある。  

 

SESに置ける準委任契約の注意点

SESにおける準委任契約の注意点

本コラムのタイトルの結論にもなりますが、SESは準委任契約です。

この契約を利用する場合の注意点について解説します。

指示系統はSES企業にある

SESエンジニアを活用する場合、指揮命令系統はSES企業側にあります。

このため、自社にいるSESエンジニアに急に発生した作業を依頼しても、行ってくれるわけではありません。

自社雇用の正社員のように自由度の高い業務は依頼できず、フレキシブルな働き方はできないのです。

エンジニアとの直接交渉はできない

SESエンジニアはSES企業に雇用されているため、一正社員です。

エンジニア自身とは直接取引はできず、SES企業の担当者との交渉が必要になります。

直接契約したフリーランスエンジニアであれば、その場でエンジニア本人に交渉・依頼が可能ですが、SESエンジニアへはそうすることはできません。

引き抜き、正社員登用ができない

SESエンジニアの引き抜き、すなわち正社員登用は業界でタブーとされています。

SESエンジニアをそのまま正社員に登用することができれば、SESエンジニアを活用していた企業側としてはメリットが大きいでしょう。

しかし、SES企業のエンジニアを客先に送るビジネスが成り立たなくなるなどの複数の理由から、その悪質性により業界では良くないこととして認識されるのです。

契約書に、引き抜きに関して禁止事項・ペナルティなど記載している場合もあるので、予め契約時に確認しておくと良いかもしれません。

SES企業とフリーランスエンジニアエージェントとの違い

これまで、SES契約が一体どのような契約なのかということについてお話ししてきましたが、最後にフリーランスエンジニアエージェントとの違いについて説明します。

フリーランスエンジニアエージェントとは

フリーランスエンジニアエージェントは、案件を探しているフリーランスエンジニアとエンジニアを必要としている企業を繋げるサービスです。

フリーランスエンジニアは、仕事を獲得するには自ら企業を探し、さらにそこからその企業に対して自身の価値を売り込まなければなりません。

また、逆に、フリーランスのエンジニアを活用したい企業は、フリーランス市場から、できるだけ優秀で、かつ自社の体系にあったエンジニアを探さなければいけません。

これらの流れから分かるように、企業と個人が何の仲介役もなしに巡り合うには、大変な労力が必要になります。

その仲介役を担うのが、エージェントです。

フリーランスエンジニアエージェントとSES企業の違い

フリーランスエンジニアエージェントとSES企業は、そのどちらもエンジニアを紹介してくれるサービスであることに変わりはありませんが、主に料金体系や契約の仕方が異なる場合があります。

一例ですが紹介します。

例えばフリーランスエンジニアエージェントHiPro Tech」は、フリーランスのエンジニアと直接契約できるようになっており、企業側が「HiPro Tech」に支払う紹介手数料は1年間のみとなっています。

しかし、SES企業は、エンジニアと契約している以上は永続的に委託料が発生します。

このため、継続的にそのエンジニアに仕事を依頼したい場合、フリーランスエンジニアエージェントの「HiPro Tech」を利用した方が手数料は安くなるメリットがあるでしょう。

フリーランスエンジニアとSESの違い

フリーランスエンジニアとSESの違いは何なのでしょうか。

既に「SESにおける準委任契約の注意点は」で説明した項目以外の代表的な違いを紹介します。

報酬の決定権がエンジニアにあるかどうか

SES契約はエンジニアに対して直接報酬を払うのは、エンジニアを雇用する側、すなわちSES企業です。

それに対し、フリーランスエンジニアの場合は、そのエンジニアに業務を依頼した側の企業です。

フリーランスエンジニアと直接契約をした場合の利点は、報酬について直接エンジニアと相談できるということです。

報酬の取り決めを企業と個人が直接することで、お互いにとって納得のいく最善の契約ができるでしょう。

フリーランスエンジニアエージェントをご利用なら

フリーランスエンジニアエージェントのご利用を検討されているなら、ぜひHiPro Tech」にご相談ください。

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契約完了までの手続きもサポートします。

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執筆監修者

記事監修

野村 鉄平

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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