コラム


原価管理システムの導入はメリットがたくさん!有用性や選定時のポイントをご紹介

2022年01月04日
システム導入

市場が目まぐるしい変動を遂げている昨今、適切な予算計画やコスト削減を実現させるために、多くの企業で重きを置かれている原価管理。しかし、原価管理には現状の把握から予測、他データとの照らし合わせなど、あらゆる作業を必要とするため、アナログで進めようと思うと膨大な工数を必要としてしまう側面も併せ持っています。

これらの課題に対して、原価管理システム導入が解消のカギとなる可能性があります。そこで当コラムでは、原価管理システムの導入を検討中の方に向け、原価管理システムの概要から導入メリット、さらに原価管理システムの導入時に気を付けておきたいポイントまでをまとめてご紹介します。

原価管理システムとは

原価管理システムの機能や概要を詳しく解説するために、前提として「原価管理」の定義について触れておきます。

◇原価管理の定義と目的

原価管理とは、製造・生産における原価計算、さらには算出された結果をもとに、適正な原価に抑えるための分析・戦略検討を行うことを指します。

原価管理を行う主な目的として、以下例が挙げられます。

・現状の収支把握のため

・利益予測や数値目標設置のため

・適切な販売価格の決定のため

◇原価管理システムとは

先述の目的を遂行するためには、あらゆる情報を必要としますが、これらの情報を別システムで確認するよりも、一つのシステムでまとめて確認した方が利便性が高まります。また、各情報を連動することにより、個々の情報だけでは見えてこなかった情報を洗い出すことができます。

原価管理システムは、まさに上記を実現するツールです。原価管理にまつわる情報を一元管理し、作業の利便性を図れるだけでなく、情報連動による利益最大化のシナジーを生み出すことも可能なのです。

原価管理システムに付随する基本機能

続いて、原価管理システムに付随する機能です。システムの開発元によって、付随されている機能にやや相違があるため、ここでは代表的かつ汎用的な機能をご紹介します。

◇原価計算

必要な項目を入力すると、自動で原価計算を実行する機能です。原価計算には複数の種類がありますが、用途に応じた種別ごとに算出できるよう設定されています。

◇原価差異分析

目標原価との差分を算出する機能です。当機能で各項目ごとに差が生まれた要因を分析できるため、定期的に適切な予算配分を検討するうえでの材料となります。

◇原価予測

今までの原価実績をもとに、中長期の原価変動をシミュレーションする機能です。市場変動や利益目標など、重視したい項目に沿って多角的に予測値を算出することが可能です。

◇損益計算

適切な収益性となっているかを計算する機能です。製品の生産から消費までの過程(調達~製造~販売~破棄)で生まれるコストを各工程ごとに把握し、その製品の収益性や限界利益を算出します。

◇配賦計算

種類別に、自動で配賦計算を行う機能です。あらかじめシステム内に多数の配賦基準設定が内蔵されており、より適正かつ合理的な配賦計算を実現します。

原価管理システムを導入するメリット

原価管理システムの導入は、主に以下のメリットをもたらします。

◇経営判断のサポート

従来では、エクセル等で管理されているケースも多く存在しました。しかし、計算方法の多様さから煩雑になりやすいだけでなく、管理対象となる情報が散在してしまうことや、市場変動時の影響を反映するまでにタイムラグが発生してしまう課題がありました。

これらの課題は、原価管理システム導入によって一挙に解決できます。必要な情報をリアルタイムで一括管理・反映することによって原価計算を容易にし、スピーディな経営判断の促進が期待できます。

◇コストの低減

原価管理システムの導入により、現状の原価と配賦の把握や、根拠に基づいた原価の予測によって、適正な原価設定を促します。また、原価管理作業にかけていた人件費の削減、人員リソース配分の最適化を図ることもできます。

◇他システムとの連携

原価管理システム導入のもうひとつのメリットとして、他システムとのデータ連動による新たなシナジー創出を期待できることが挙げられます。たとえば、他販売管理・会計システムなどのデータを取り込むことにより、より精度の高い予測値を算出するだけでなく、煩雑な計算の利便化を図ることが可能です。また、ERPシステムと統合すれば、全社の経営において原価管理の視点を即座に組み込むことができ、経営におけるPDCAサイクルを潤滑に回すことができます。

原価管理システム導入前の留意ポイント

原価管理システムは、自社にフィットするものを導入できれば最大限のパフォーマンスを発揮しますが、下準備を怠り導入してしまうと導入損ともなりかねません。ここでは、原価管理システムの導入を少しでも成功に導くために、あらかじめ留意しておきたいポイントや、準備しておくべき点について解説します。

◇現状課題と導入目的の整理

数多の原価管理システムの中から、最適な製品を選択するにあたり、当項は必ず押さえておきたいポイントです。「作業生産性の向上」「既存システムとの連動」など、解決したい課題をあらかじめ整理しておくことで、判断がよりスムーズとなります。なお、自社の課題が不明瞭な場合は、現状の作業にかかっている時間や工数の測定や可視化から始めると、現状の傾向値を洗い出すことができます。自社の現状を適切に把握し、どのような原価管理システムを導入すれば解消されるかを定義付けておきましょう。

◇関係者との連携強化

もうひとつ留意しておきたいポイントが、関係部署との連携です。導入にあたっての関係者とは、導入後にシステムを活用する現場の人員から、導入を決裁する上層部、導入を支援する情報システム部署や外部ベンダーなどさまざまです。現場の声を微細にくみ取ることはもちろんのこと、希望するシステムを導入するためには、予算や要望の火急度を適切に上層部へ伝える必要も出てくるでしょう。さらに、既存システムとの連動や導入後の改修、機能を追加したいなど、原価管理システム運用上での要望が出た場合システムを扱う関係者への相談や交渉が必要となります。認識のズレを防ぐうえで、原価管理システム導入は独断で進めるのではなく、各関係者とのコミュニケーションを欠かさず行う方が賢明です。

原価管理システムの選び方

原価管理システム導入時には、上述のポイントと並行し、原価管理システムの選定を行います。当項では、選定の基準として把握しておきたいポイントを解説します。

◇システムの提供形態

原価管理システムの形態には、「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。以下、それぞれの詳細をご紹介します。

・クラウド型

インターネットを経由し、原価管理システムを活用する形態です。初期費用が安く、導入までの工数が少ないことがメリットです。また、不備があった際の改修は開発元が行うため、運用面の負荷も相対的に削減できます。

・オンプレミス型

ゼロからオーダーメイドで原価管理システムを作り上げる形態です。最大の特長として、機能設計の自由度の高さが挙げられます。また、クラウド型と比較し初期費用は高くなりますが、ライセンス料などのランニングコストがかからない点もオンプレミス型のメリットといえます。

なお、一般的には初期費用の安さや手間の少なさから、クラウド型が選ばやすい傾向にありますが、あくまでも自社のニーズに合わせて選択することを推奨します。

◇課題と原価管理システムの適合性

ひと口に製造業といっても、機械や食品、化学製品などさまざまな業態があり、合致する原価管理システムも異なります。各業態ごと、過去に挙がったニーズをもとにシステムの機能がカスタマイズされているため、はじめて導入する場合は、自社の業態に特化された原価管理システムを選ぶ方が無難といえるでしょう。

◇原価管理システムのカスタマイズ性

導入時には不要だと思っていた機能も、導入後に必要となるケースも往々にしてあります。その際、再開発を行わずとも、簡単なカスタマイズですぐに使えるよう、元から機能を搭載している原価管理システムも存在します。

まとめ

現状、さまざまな原価管理システムが登場しており、自社に合う適切なシステムの選定は原価管理における命題となっています。とはいえ、はじめての導入検討時には、どのようなシステムがよいのか、選定に迷われるケースも少なくありません。

このような課題を解消するためには、専門的な知見を持つIT人材の力を借りる方が賢明といえますが、もし自社内に専門部隊がいない場合は、外部の力を借りるのもひとつの手段といえます。

なお、フリーランスITエンジニア専門エージェント「iーcommon tech」では、上流から下流まで、総勢2500名以上のエンジニアが活躍しています。自社にどのようなシステムがあれば課題を解決できるかといったお悩みから、実際のシステム開発・導入時におけるベンダー折衝から設計まで、あらゆるフェーズでお力になることが可能です。少しでも興味がございましたら、お気軽にご相談ください。

記事監修
パーソルキャリア株式会社 HiPro Techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common(現:HiPro Biz)立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common tech(現:HiPro Tech)サービス責任者に着任。

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