外国人エンジニアが活用される背景と具体的な手続き・採用方法

2024.01.30 更新

外国人エンジニアが活用される背景と具体的な手続き・採用方法

日本のITエンジニア不足は深刻です。ITエンジニアを採用しようとしても、他の職種よりも採用単価が高く、なかなか導入に踏み切れないことが多いのではないでしょうか。

そんな中、日本で働く外国人労働者は年々増えています。厚生労働省の調べによると、平成30年10月末の時点で、日本で働いている外国人労働者数は 1,460,463 人であり、昨年と比較しての増加率は14.2%と伸び率が高く、右肩上がりとなっています

そのような中、「外国人エンジニアを活用したい」と考える企業が増えることは自然なことです。今回の記事では、外国人エンジニアの活用を説明します。

※出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】

外国人エンジニアが注目される背景

日本のITエンジニア不足は深刻です。経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には約40万人から80万人の規模のエンジニア不足が懸念されています

その背景には、日本における労働人口が減少していることも挙げられますが、大きな理由として、デジタル技術の発展と需要の増加が挙げられます。

2020年新型コロナウイルス蔓延より、デジタルシフトはより激化しています。

このため、IT人材やデジタル人材は今後需要がより高まっていくでしょう。こうした背景から、日本の企業では外国人エンジニアの獲得に注目が集まっています。

日本国内のエンジニアのみならず、外国人エンジニアを雇いたいと考える企業が増えてきているのです。実際に、「IT人材白書2020」によると、DXに取り組んでいる企業は、積極的に外国人採用を行っていることが記されており、外国人エンジニアの採用はトレンドとなっていることがわかります。

※参考:経済産業省 IT人材需給に関する調査

※参考:経済産業省 IT人材白書2020

企業が外国人エンジニアに期待すること

では、企業が外国人エンジニアを雇うことによるメリットは、どのような部分にあるのでしょうか。

企業が外国人エンジニアに期待していることを解説します。

海外進出しやすくなる

その国のエンジニアを雇うことで、海外文化の知見が社内に浸透する、或いは、そのエンジニアに仕事を任せることで、その国の浄土を理解したマーケティングができるなど海外新出しやすくなることが期待できます

自社サービスを海外で展開したい場合は、支社の展開なども視野にいれる必要がありますが、その際にその国の人材が自社にいることは大きな強みになります。

社内が多様化する

コロナウイルス蔓延により、リモートワークが浸透するなど、働き方が多様化しました。

それに伴い、社内の文化や働き方、環境、社風も多様化しています

その面で、外国人エンジニアの雇用は、社内を多様化させる良いチャンスになります。

優秀な人材を獲得できる期待が高い

日本国内にとどまらず海外にまで目を向けることで、母数が広がり、その分優秀な人材を獲得できる可能性は広がります。

また、日本国内のエンジニア不足により、外国人エンジニアは採用難易度が低い場合もあり、優秀な人材と出会える可能性が広がりやすいのです。

これからは外国人エンジニアが増えていく?

法務省出入国在留管理庁は、平成24年5月7日に「高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度」を設けました。

高度人材ポイント制とは、高度外国人材の受け入れを促進するため、学歴、職歴、年収などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数に達した人材に対して出入国在留管理上の優遇措置を与える制度です。

経済産業省でも、情報処理技術者試験とアジア各国の試験制度との相互認証を行うなど、外国人エンジニアの流入に積極的です

各省庁の取り組みにより、情報通信業における外国人エンジニアの数は増加してきました。

実際に外国人エンジニアを採用する企業も増えてきています。

厚生労働省の統計によると、2019年10月時点で「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ外国人の数は329,034人に上ります。

これにより、より優秀なエンジニアが日本国内に移住しやすくなってきているのです。

このような背景もあり、今後、外国人エンジニアは増えていくと想定できます

※出典:法務省出入国在留管理庁 「高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度」

※出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】

外国人エンジニアを採用する方法

既に日本企業で働いている外国人エンジニアの特徴

日本企業で働く外国人エンジニアはどのような人材が多いのかを解説します。

スタートアップなど小規模な事業所が多い

厚生労働省の調査によると、外国人労働者の労働環境について、事業所規模別にみると「30 人未満事業所」で就労する人が最も多いことがわかっています

実際に、最新のデジタル技術を使ったサービスをリリースする企業は、スタートアップの事業だと言えます。

このため、結果的に、小規模な事業所で外国人エンジニアが活躍していると考えられます。

中国人やベトナム人が多い

同じ厚生労働省の調査では、国内で働く外国人労働者は、中国人が一番多く、次いでベトナム人が多いとされています

中国人は以前より日本国内で働く流れがありましたが、最近ではベトナム人も増えてきています。

理由の一つとして、中国の急速な経済発展が挙げられます。

中国経済が発展したことにより、富裕層が増え日本に出稼ぎに来る人材が若干減少し、その中でベトナム人労働者が増えてきているのです。

また、ベトナム人にとって、アメリカやヨーロッパ諸国と比較して日本はビザがとりやすいようです。

例えば、アメリカやヨーロッパへ留学する際はアルバイトが制限されますが、日本では申請をすればアルバイトを行うことができます。

それを理由に留学に来た学生がそのまま日本企業に就職している流れも想定できます。

※出典:厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】

外国人エンジニアの採用・就労に関する手続きについて

外国人を採用する場合の手続きは非常に複雑であるため、注意が必要です。

新卒の留学生を採用する場合、転職者を採用する場合、海外に在住している外国人を採用する場合など、ケースに応じて必要な手続きも異なってきます

また、採用後にも定期的に在留資格の更新が必要となります。

海外では、日本以上に書面による契約書が重視されます

雇用契約者や労働条件通知書などを交付することは、労働基準法において、外国人に対しても義務化されています。

その場合、外国人が理解できる母国語や英語で作成する(または翻訳文を添付する)などの配慮も必要です。

外国人に特化したエージェントは外国人雇用に関する知識も豊富ですので、エージェントを利用した採用を行うか、または、行政書士などに相談するのもよいでしょう。

外国人エンジニアを採用する方法

外国人エンジニアを採用するためには様々な方法があります。

専門のエージェントを利用する

最もメジャーなのは、外国人専門のエージェントを利用する方法でしょう。

外国人とのコミュニケーションに不安がある場合でも、エージェントが日本語で対応してくれるため安心です。

面接前に、求職者の日本語能力や日本文化への対応力をチェックしてくれるエージェントもあります。

多くの外国人専門エージェントは、在留資格の手続きなど、外国人を雇用する上で必要な専門知識も持ち合わせています。

求人から面接、内定までの入社サポート、採用後のフォローまで行なってくれるエージェントもあります。

そのため、採用にあたってトラブルが起きにくく、人事担当者の負担を最小限に抑えることができるでしょう

専門的なスキルを持ったスタッフが、求職者との間に入ってくれるため、はじめての外国人採用を行う場合に向いていると言えます。

外国人が多く閲覧するサイトへの登録

求人サイトへ登録して募集を行う方法もあります。

外国人向け求人サイトでは、登録している求職者へスカウトを行うことができるなどのメリットがあります。

また、応募者を言語レベルで検索することができるサイトや大手検索エンジンに連携することができる求人サイトもあります。

求人情報を探していると想定されるキーワードで検索を行なった場合に、検索エンジンの上部に求人情報が表示される機能のことです。

例えば「外国人 エンジニア 東京」といったキーワードで検索を行うと、検索に連携している求人サイトの情報が検索結果として表示されます。

求人サイトへの掲載と同時に大手検索エンジンに連携させることで、より求職者の目に留まる可能性が高くなるでしょう。

外国人エンジニアを採用する際の注意点

外国人エンジニアを採用する際の注意点ですが、少なくとも以下の点を念頭に入れて採用に向けて動きましょう。

他にも気を付ける点はありますが、ここでは大きく3点のみ紹介します。

  • スキルに見合った給料を支払う
  • 社内の受け入れ体制を整える
  • 必要な手続きを行う

まず、給料についてです。

合理的な理由なく、外国人と日本人の待遇に差をつけることは違法とされています。

外国人エンジニアの採用を成功させるためには、提示する給料が適正であることが重要です。

また、日本で働く上で、日本語能力も非常に重要なファクターです。

日本語はもちろん英語もできる外国人の場合、その点も考慮すると、給与相場は高くなる傾向にあります。

そして次に、採用する外国人エンジニアが、問題なく働ける体制や社内環境を整える必要があります

どの国出身のエンジニアを採用しても、協力してお互いに気持ちよく働けるような雰囲気づくりなども大切です。

最後に必要な手続きについてです。

基本的には国や状況によって必要な手続きが異なる場合があるため、詳細は手続きの都度、外務省のホームページや関連する場所に確認をして手続きを行ってください。

「ビザ」「在留資格」など、混同しやすい語句の理解や知識も必要になってくるでしょう

ここでは、手始めに「ビザ」「在留資格」の違いについてのみ簡単に説明します。「ビザ」とは、日本に入国するために必要な外務省からの推薦状です。

外務省の管轄となり、海外の日本大使館または領事館で発給されます。「在留資格」とは日本に上陸する際に入国管理局が与える資格です。管轄は法務省となります。

また、入国管理局が管轄している「在留資格認定証明書」というものもあります。「在留資格認定証明書」は、入国管理法で定められた「在留資格」のいずれかに該当する「ビザ」を発行するために必要になります。

まとめ

日本のIT人材不足を解消する上で、外国人エンジニアの獲得は重要です。各省庁も外国人エンジニアの国内への流入を促すべく、さまざまな施策を行っています。

外国人採用には、各種手続きに専門的な知見のあるエージェントを利用するのがおすすめです。

また、外国人を採用するにあたり、社内の受け入れ体制を整備することも重要であるということもお伝えしました。当サービスは、パーソルキャリア株式会社が運営するフリーランスITエンジニア専門エージェントです。

フリーランスで働く外国人の方も多く、当サービスには多くのエンジニアが登録しており、優秀な人材の発掘をお手伝いできます。

採用ではなくフリーランスの活用も検討したい場合、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

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執筆監修者

記事監修

野村 鉄平

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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