エンジニア研修の必要性と研修の注意点を解説します
エンジニア不足が叫ばれる昨今、システム開発会社にとってエンジニアの採用は経営課題の一つです。
とはいえ、優秀なエンジニアは引く手あまたで採用できない場合もあります。
そこで肝となってくるのは未経験エンジニアです。
未経験エンジニアを教育して優秀なエンジニアに育て上げることも一つの選択肢であり、 そのため未経験エンジニアの研修に力を入れる会社も多くなってきています。
ここではエンジニア研修の必要性と研修の注意点について解説します。
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優秀な人材を自社に採用するのは難しい
ITエンジニアの中でも、特にハイスキル層の人材は、慢性的に不足しています。
エンジニアを採用したい企業の悩みは「費用をかけてもなかなか採用できない」「優秀なエンジニアはどこにいるのか?」「即戦力で中途採用ができないのか?」といったところでしょう。
特に、優秀な層は年収も高いため、エージェントを通した採用活動に莫大な金額がかかったり、もしくは、採用が長期化してしまい想定以上に労力がかかったりします。
このため、新卒で採用したエンジニアを、研修を通して育成する企業が増えてきています。
エンジニアへの研修の必要性
エンジニアを社内で育成するというジャッジをする場合、どうして研修が必要なのかという基本的なことを理解しておくことが重要です。
エンジニアへの研修が必要な理由は大きく3つあります。
知識面の共有(座学)
【 基礎的な知識の習得 】
1つは基礎的な知識の習得により、エンジニアとしてのスタートラインに立つためです。
エンジニアには技術知識が不可欠です。
最初から高度な技術力は求められませんが、最低限度の理解は持っている必要があります。
一般的なシステムエンジニアであれば、
- システム開発
- Web系のサーバー構築
- ネットワーク
- セキュリティ
等を学びます。
まずは、幅広い視点を持つことが重要だからです。
最近は文系のエンジニアも増えてきているので入社後は基礎からしっかり教育する必要があります。
【 問題解決力の習得 】
2つ目は、問題を解決する自学の姿勢を身に付けるためです。
知識面の研修において、幅広い枠組みを教えることはできても、業務を行う上での全ての知識が身に付くわけではありません。
エンジニアの仕事は、さまざまなパターンによって行うべきことが変わってくるため、自身での問題解決力を身に付けておくことが非常に重要なのです。
特に、自ら学ぶ習慣の習得が必要であり、これを研修段階で身に付けられる場があることは非常に良い機会となるでしょう。
作業者の枠に留まらない、自発的なエンジニアを育成することが可能です。
また、エンジニアは作業者のままでは、いつまでも主体的な提案ができず、ユーザー側やクライアントとのコミュニケーションに支障が生じてしまう可能性が高いです。
自ら問題を解決する姿勢をもつことが大切であることを研修時点で共有しておくことがすごく重要です。
【 チームで仕事する力の育成 】
3つ目は開発の全体像を理解しチームで協力するためです。
システム開発のプロジェクトチームにはサーバーサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、ネットワークエンジニア、など様々なエンジニアが属しています。
各エンジニアがチームを組んで一つのシステムを構築します。
そのため技術力に加えて、コミュニケーション能力なども必要なのです。
例えば、サーバーサイド側の開発が進んでもフロントエンド側が進まなければシステムは完成しません。
チームメンバーで連携しながら進めるのがシステム開発です。
このため、研修では複数名でメンバーを組み、ロールプレイングやグループワークなどでシステム開発を経験するカリキュラムがあることが多いです。
開発現場に出る前に研修で模擬システム開発を経験することで開発の進め方が理解できます。
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エンジニアへ行う研修の種類
エンジニアの研修は、大きくいうと社内で行う研修と社外で行う研修に分けられます。
- 社内研修・・・自社で行う研修
- 社外研修・・・社外に依頼して行う研修
社内研修は自社の社員から受ける研修を言います。
経験がある自社社員を指導者として研修を実施します。
プログラミングの基礎から実践まで理解している経験豊富な社員を指導者とするケースが多いです。
一方で、社外研修は外部の指導者から研修を受けます。
自社社員だけでなく、複数の企業の新入社員クラスを集めて同じクラスで研修を行う例もあります。
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社内研修
社内研修のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
・成長度合いを確認しやすい
研修生の成長度合いが正確に掴めます。
指導者が自社社員なので研修生の成長度合いを頻繁にヒアリングできます。
成長度合いを確認しやすいのでフォローアップが手厚くできるなど、研修生の成長にとってプラスになります。
・柔軟に研修内容を修正できる
研修生の習熟度でカリキュラムを柔軟に修正できます。
社内研修の場合は自社で研修内容を決めることができます。
デメリット
・自社でカリキュラムを作らないといけない
自社でカリキュラムを作成するので時間がかかります。
エンジニアの研修は約2~3ヶ月前後、未経験エンジニアを育成するなど教育に時間のかかる企業では6ヶ月程度になることも多く、その分の研修資料を自社で作らなければならないので、かなりの分量になります。
・指導者のリソースを割かなければならない
指導者は研修期間の間は研修に徹しなくてはいけません。
このため、システム開発ができません。
社員が指導者なので指導者の費用はかかりませんが、本来その者がエンジニアとしてあげるはずだった利益がなくなってしまいます。
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社外研修
社外研修のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
・自社で研修を行う手間が省ける
研修の準備や授業の手間が省けるため、指導者は本業のシステム開発などの業務に集中できます。
社内リソースはすべて開発に費やせるので指導者リソースを考える必要がありません。
・研修の専門家に依頼できる
研修の専門家に依頼できるので一定水準以上の研修が期待できます。
研修の専門家は研修回数が豊富な分、教え方のノウハウを持っています。
また、どのような説明方法が最適か、研修生がどこでつまずきそうか、なども熟知しています。
デメリット
・費用がかかる
外部研修は費用がかかります。
・成長度合いを把握しにくい
外部研修の場合は数十人規模の研修が一般的です。
中には数百名規模の研修もあります。
これだけたくさんの研修生に対して講師は1名ないし2名が多いので全員の成長度合いを把握するのは容易ではありません。
・全員に合ったカリキュラムを施せない
同じカリキュラムなので、内容についていけない研修生が出てきてしまうかもしれません。
外部研修の場合、事前にカリキュラムが決まっています。
そのため理解が追い付いていない生徒がいてもカリキュラムのスケジュールを守るためにそのまま進んでしまうでしょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
社内研修 |
・成長度合いを確認しやすい ・柔軟に研修内容を修正できる |
・自社でカリキュラムを作らないといけない ・指導者のリソースを割かなければならない |
社外研修 |
・自社で研修を行う手間が省ける ・研修の専門家に依頼できる |
・費用がかかる・成長度合いを把握しにくい ・全員に合ったカリキュラムを施せない |
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どういった形式で行う研修が増えているのか?
OJT形式
OJT とは、On-the-Job Trainingの頭文字をとっており、現場で学んでいくことです。
従来から、スタートアップ企業などは取り入れていましたが、アジャイル開発が主流になった今、現場がどのようにPDCAを回しているのかを知るためにも、OJTを取り入れる企業が増えています。
実践で使える技術をリアルに学ぶことができる上に、仕事を手伝ってもらうこともできるので、教える側にも教わる側にもメリットがあります。
ブートキャンプ形式
ブートキャンプとは、トレーニング的な意味を持ちます。
まずは、チームに分かれて作りたいシステムを決め、ゴール設計をします。
そして、ゴールに必要なスキルは何かを考え、期間中に学習を進めます。
ブートキャンプ形式では、システムを作るという一連の流れを体験できることに意味があるだけではなく、システム開発に必要なスキルも同時に身に付くので、効果の高い研修方法です。
しかし、ブートキャンプの期間中はシステム開発に勤しむ必要があるため、通常の業務を依頼することができない可能性があることに注意しなくてはなりません。
オンライン研修
ウィズコロナ禍で根強く支持されているのが、オンライン研修です。
その名の通り、オンラインで研修を行うことであり、社内研修、社外研修問わず、行われています。
オンライン研修では、社員が実際に研修場所に行くことなく、パソコンを用いて遠隔で研修を受けます。
オンライン研修には主に、リアルタイム形式で行うものと、オンデマンド形式で行うものの二種類があります。
オンライン研修の場合は自宅にパソコンとインターネット環境があればすぐに受講可能なので移動に時間を費やす心配がなく、効率的です。
しかし、 モチベーションの維持が難しいケースもあり、課題もあります。
実際の様子を把握しにくいので研修生の理解度が正確に把握できない可能性があり、オンライン研修のみで解決させるのではなく、エンジニアへのフォローが必須です。
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エンジニアが研修時についていけないと感じるときがある?
研修時に「エンジニアがついていけない」と感じてしまうことはよくあることです。
特に、オンライン上でしかコミュニケーションをとれていないと、研修内容が理解できていない場合に伝わらないことがあり、不安になってしまうエンジニアが多いと言います。
例えば次のような事例が該当します。
上司の指示が理解できないとき
上司の指示が理解できないときにエンジニアはついていけないと感じるでしょう。
上司の指示を理解しようとしても、何が分からないかが分からない状況に陥るとエンジニアのモチベーションは下がってしまいます。
「Javaのclassファイルが邪魔している」、「OracleのREDOログファイルを確認して」など、専門用語を使った難解な指示が来ると理解ができない場合があります。
さまざまな前提知識を要されたとき
前提知識を要されたときにもついていけないと感じるでしょう。
例えばうまくシステムが動かない時に上司から「pingが飛んでいるか確認して」と言われたとします。
pingはネットワークコマンドなのでどちらかと言えばインフラ寄りの知識です。
Webエンジニアとしては大切な知識なのですが、若手社員にそこまで理解する余裕はないかもしれません。
指示をされても前提知識が分からない場合は何をすべきか分からなくなります。
キャパシティ以上のタスク量を要求されたとき
自分の能力以上のタスク量を要求されたときもついていけないと感じるでしょう。
自分の能力では明らかに難しいタスク量がふられるとやる気を失いかねません。
少し頑張れば達成できるぐらいのタスク量が最適です。
入社前との条件が違いすぎるとき
入社前の条件と違いすぎるときもついていけなくなります。
面接で聞いていた社内の雰囲気や提示条件と実際の内容に乖離があるときはがっかりするでしょう。
雰囲気や労働条件などに惹かれて入社したのに実際に齟齬があれば続けていくのは難しくなります。
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エンジニア研修の注意点
エンジニア研修で注意すべき点は以下になります。
エンジニアの能力を適切に把握する
まず、エンジニア研修で注意すべきなのは、エンジニアの能力を適切に把握するということです。
なぜならエンジニアはそれぞれで能力や性格、習熟度などが異なるからです。
自力で調べて問題を解決することができる者もいれば、誰かに教えてもらった上で解決できる者もいます。
それぞれのエンジニアにあったカリキュラムを作成するためには、それぞれの能力を把握する必要があるのです。
主体的に学ばせる
主体的に学ばせるのはエンジニアとして自走するために必要な習慣・考え方です。
プログラミング言語は流行り廃りがありますし、同じ言語でもバージョンが変われば、仕事内容は大きく変わります。
その度にエンジニアは新しい知識を身に付ける必要があります。
これはベテランエンジニアでも同様です。
エンジニアであり続ける限り、一生勉強を続けなければなりませんので主体的に学ぶ習慣は研修の段階で身につけた方が将来的にプラスになるでしょう。
エンジニアのタスク量を調整する
量を調整してバランスの良いタスクづくりを心がけましょう。
タスクが少なすぎると暇を持て余してしまいますし、多すぎるとモチベーションが下がってしまいます。
また、そつなくこなせるタスク量も要注意です。
こなせるレベルのタスク量ばかりふってしまうと効率化をしようとせず生産性が改善しないからです。
頑張ればこなせるか、こなせないか程度のタスク量がエンジニアの成長には最適です。
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まとめ
エンジニアが成長するために研修はとても大事なプロセスです。
しかし、研修には多くの工数がかかります。
中長期的に行っていくことは重要ですが、会社の規模やフェーズ・リソースによっては、研修を実施する余地がない場合も多いでしょう。
そのため、エンジニアを育成するのではなく、即戦力のエンジニアを活用するという考えもあります。
最近では、外部のハイスキルな人材を必要な期間で活用したいというニーズも増えています。
HiPro Techでは、ご要望に沿った優秀なエンジニアをご紹介しています。
時間をかけずに優秀な人材の確保が可能になるのでエンジニア育成の悩むことは無くなります。
ぜひ、「HiPro Tech」に一度お問い合わせください。