新卒のエンジニアを採用するときの注意点とは?採用方法や現状の市場を解説
エンジニア採用を勝ち抜くには、戦い方を変えましょう。
急速に拡大していくIT市場に対して、労働人口は少子化で年々減少しています。1点の採用手法ではエンジニアの確保に限界があり、新卒採用や中途採用といった複数の手法を使い分けるのが当たり前化しつつあります。
しかし、優秀なエンジニアの囲い込みは着実に進んでおり、既存の戦い方が通用する企業はますます少なくなっています。それは新卒採用も同様で、「市場」「労働環境」「就活期間」など、様々な理由で難易度が上がっています。
これからの時代を生き抜くには、新しい戦い方を考えるのも重要です。ですがその前に、まずは新卒採用の現状をみていきましょう。
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新卒のエンジニアの市場
エンジニア採用は超が付くほどの売り手市場とされていますが、そこに拍車をかけたのがDXブームです。SaaSの活用やRPAによる業務効率化などに目をつけ、あらゆる企業でエンジニアが求められるようになりました。これによって中途採用でのエンジニア獲得競争が激化し、その影響は新卒採用にも及ぶようになったのです。
また、ニーズの増加によって、学生側にも変化が生まれています。大学ではAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル人材を育てるために、専門の学部が続々と新設。「C言語」や「Java」だけでなく、AI・IoTの台頭で注目される「Python」を習得する学生が増えています。新卒エンジニアのスキル向上により、企業は理系・情報系といった学部縛りではなく、プログラミングスキルまで見るようになりました。
大手企業の人気はあるのか
大前提として、企業の判断材料に知名度は含まれるでしょう。「馴染みのあるサービスを扱っている」「イベントスペースを広く取っている」「広告塔に芸能人を起用している」といった企業が目立つように、学生の視界には大手企業が入りやすいです。
各求人メディアの調査結果を見ても、「GAFAなどの外資系企業」「四大携帯キャリア」「FTTH事業者」をはじめ、各業界で高い知名度を持つ上場企業が上位を席巻しています。さらに近年は大手SIerよりも、BtoCビジネスを展開するWeb系企業に注目が集まっている状況です。
外資系企業が人気を集める背景としては、海外でデジタル人材に対して高めの給与条件を提示する例が増えてきていることにあります。新卒で年収1000万円以上を提示するなど、まだ事例の数は少ないものの、学生にとって少なからずの期待が含まれていることは否めません。
働き方改革の影響
エンジニアの世界では長らく新3K(きつい、帰れない、給料が安い)が問題視されています。厚生労働省が推し進める働き方改革によって、長時間労働や有休取得日数は少しずつ改善されていますが、まだ課題は残っているのが現状です。
テレワークの普及も相まって、大手企業が率先して就労環境を改善していくため、人気が集中しやすいともいえます。
通年採用の影響
これまでは就活ルールによって、大手企業の多くは採用時期の足並みを揃えていたため、外資系やベンチャー企業にはスピード勝負という勝ち筋がありました。しかし、2018年に経団連によって就活ルールが廃止されたことで、多くの企業が通年採用を検討し始めています。今後は「他社より先に」「他社より早く」といった競争が加速し、インターンシップの前倒しや学生への積極的なアプローチが増えていくでしょう。
早期就活の影響
近年は通年採用や新型コロナウイルスの影響によって、早期就活という考え方が学生に広まっています。学生側が内定承諾を急ぐことに対して、企業は1dayインターンシップや選考期間の短縮など、様々な手段を模索しています。
直近ではAI適性検査ツールによって、リスクの削減とインターシップの強化をはかるという動きも出ており、素早く的確に選考する工夫はこれからも生まれていくでしょう。
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新卒のエンジニアを採用するメリット・デメリット
新卒採用でエンジニアを獲得する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
新卒エンジニアを迎え入れた場合のメリットを、主に4点紹介します。
人材不足に対応できる
労働人口が減り続けていることは、成長の著しいIT業界では特に問題視されています。そのような中で新卒のエンジニアを採用できることは、人材不足の解消にもつながります。
自社の色に合わせて教育できる
既存のエンジニアは他社での経験がある分、自社とは違うカラーに染まっている可能性が高いです。これまでのやり方を変えていくよりも、型にはまっていない新卒エンジニアを育てるほうが、より短い時間で自社の理念やビジョンを浸透できるでしょう。
新鮮な考えを取り入れることができる
型にはまっていないことで、エンジニアの常識から外れた意外性を社内に与えてくれます。これまでにない考え方をきっかけに、社内に新しい風を生み出すこともできるでしょう。
採用のコストを抑えられる可能性が高い
提示する給与条件などを考慮しても、中途採用より複数名の採用が期待できるでしょう。同時期に多くのエンジニアを必要とする場合、新卒採用のほうがコストを抑えられる傾向にあるでしょう。
デメリット
新卒採用における企業の悩みとしては、育成面が大きなウェイトを占めています。
育成に時間がかかる
社会人経験がないことから、経営理念やビジネスモデルの理解だけでなく、ビジネススキル研修など、導入時の研修だけでも数が多く、コストがかかります。特に未経験者の場合はすぐにOJTに入るわけにもいかないため、言語の種類やコードの入力方法といった知識面を強化していく必要があります。
育成ノウハウが必要である
グループワーク、ケーススタディ、ロールプレイなど、教育の手法にも種類があります。新卒エンジニアは能力にばらつきがあるため、それぞれのレベルに合わせた研修カリキュラムを作りましょう。
未経験者の場合は業務理解に時間がかかります。そのため、不安をいかに取り除くかが、早期離職の予防にもつながります。
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新卒で未経験のエンジニアを育成するには
研修に時間がかかるといっても、「未経験=仕事ができない」というわけではありません。成長が遅いエンジニアにも特徴があります。
成長を妨げているポイントと対応策
ここではエンジニアの成長を妨げている4つのポイントと対応策をご紹介します。
自分で考えられない
いわゆる指示待ちエンジニアは、リスク管理能力に長けているがゆえに、自分のミスを極端に恐れています。PDCAのPlan(計画)・Check(評価)の工程を上司と一緒に考えていくことで、少しずつ自分でサイクルを回せるようになるでしょう。
コミュニケーションに壁がある
「全員が集中して業務に取り組んでいる職場」や「上司が忙しそうに仕事をしているとき」など、話しかけにくい状況というのは少なからず存在します。そんな環境下では進捗報告や質問をしたくても、雰囲気にのまれて「声をかけたらいけないのかも…」と躊躇してしまいます。先輩がタスクをしながら、新人エンジニアに対して適度に声をかけ、コミュニケーションを取ることが大切です。
要件定義ができない
要件定義が難しいといわれる背景には、要求を細かく整理できていない、あるいは開発現場とのイメージのミスマッチが考えられます。
- ユーザーの意図を把握できているか
- 要求を具体的にイメージできるか
- 業務シナリオに無理がないか
実際に設計や実装までやってみることで理解度が向上し、より納得感のある要件定義ができるようになるでしょう。
モチベーションが上がらない
日常に刺激がない、人間関係に悩んでいる、仕事で失敗するなど、モチベーションが下がる要因は様々です。しかし、どれにも共通していえる改善点は、新人エンジニアの価値を認めるということです。
- 最新技術のプロジェクトを積極的に任せる
- 上下関係のないフラットな職場づくりを心掛ける
- 重要な技術ミーティングに呼ぶ
新人エンジニアが会社に必要とされていると感じることが、何よりモチベーションの向上につなげられるでしょう。
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エージェントの利用について
優秀なエンジニアを獲得するため、企業は幅広い手法を検討しています。そこで利用されるのがエージェントです。
中でも今回は「新卒エージェント」「転職エージェント」「フリーランスエンジニアエージェント」を紹介します。どれも共通して自社の知名度に左右されず、採用工数を削減しながら、応募の質を重視できるといったメリットがあります。
とはいえ、どのエージェントを利用するかは、企業の採用ターゲットによって異なります。
新卒エージェント
就職意欲の高い学生をターゲットにする際、利用されるエージェントです。新卒採用で内定辞退が出た際の補充をする場合もあります。
転職エージェント
一定のスキルを持つ人材をターゲットにする際、利用されるエージェントです。上流工程へのキャリアアップや、分野を広げるためのキャリアチェンジを求めるエンジニアと出会えます。
フリーランスエンジニアエージェント
現場で即戦力が必要とされている際、利用されるエージェントです。幅広い登録者の中から、現場のスキルレベルに合わせてエンジニアを活用できます。
フリーランスエンジニアエージェントは性質上、教育負担の少なさが特徴です。コロナ渦で即戦力が重視される今、企業から特に注目を集めています。
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まとめ
企業にとって、新卒採用にも注力してエンジニアを集める必要性が高まる一方で、育成面でのコスト・難易度が障壁となっています。自社を成長させていくうえで、これは大きな壁といえるでしょう。
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