【はじめてでもわかる!】ERPって何? ~ERPの意味から、導入のポイントまでわかりやすく解説~

2024.01.29 更新

【はじめてでもわかる!】ERPって何? ~ERPの意味から、導入のポイントまでわかりやすく解説~

【はじめてでもわかる!】ERPって何? ~ERPの意味から、導入のポイントまでわかりやすく解説~

当コラムは、今更聞けない「ERP」の基礎知識をわかりやすく解説したコラムです。

「ERPで何ができるのか?」「ERPの導入意義」といった基礎知識をご紹介するとともに、「ERP導入の選別ポイント」についても解説していきます。

ERPとは?

・元は「計画」を指すワードだった

ERPの正式名称は「Enterprise Resources Planning」。直訳すると「企業資源計画」となります。少しピンとこない方もいらっしゃるかもしれないため、さらに単語を「企業」「資源」「計画」の3つに分解してみます。

「企業」は、一般的な認識通り「経営団体」のことを指します。「資源」とは、「経営資源」のこと。経営を回すうえで必要不可欠な「人・物・資金・情報」、つまり資本や労働力を指します。「計画」は、これら経営資源をどのように活用し、管理するかを考えること。すなわち、「ERP」のもともとの意味は「企業活動を潤滑に進めるための計画」だったのです。

・現在の「ERP」はシステムを指す

時代とともに技術の発展が進み、ERPに伴う経営資源の情報を、パソコンの中で一括管理できるシステムが登場しました。アナログより早く、効率的に、かつ経営状況を俯瞰して管理できるそのシステムは、「ERP」を強力にバックアップするツールとして認識され、徐々にシステムそのものを「ERP」と呼ぶようになっていきました。

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「ERP」で何ができる?(導入のメリット・デメリット)

企業がERPを導入すると、どんな変化が現れるのでしょうか?メリットとデメリット、それぞれの側面に分けて見ていきましょう。

メリット

・情報を一元管理し、企業成長の分析材料にできる

ERPならではの特長にして、最大のメリットといえます。たとえば、プロジェクトひとつとっても、PDCAを回すうえではさまざまな情報が必要となります。「収支の流れ」や「売上変動の予測」、さらには「従業員の業務プロセス」まで…1つひとつの情報を、「会計ソフト」や「営業支援ツール」、「人事採用ツール」など、個々のシステムで分析するのもひとつの手ではありますが、少々手間がかかります。ERPを導入すれば、あらゆる領域の情報を一元管理することができるため、現在の経営状況をよりスピーディーに可視化・分析し、成長につなげることができます。

・生産性向上を図ることができる

手作業をシステム化することにより、工数が削減できるほか、ヒューマンエラーによるロスの削減、ペーパーレス化だけでなく、人員コストの削減や最適な人員リソース配分も図れます。総じて、経営活動に伴う作業が効率的となり、生産性向上にもつながります。

・企業価値向上とコスト削減

「コスト削減」について誤解のないよう補足しておくと、直接的に損益に直結するという意味ではありません。先述2点より、間接的に企業価値が高まるメリットがありますが、それに伴いプラスアルファとして定着率の増加や株主からの評価向上など、定性面からみた導入の費用対効果が高まることを示します。目には見えにくいものの、企業としての健全度が向上することで、ERP導入の恩恵を実感できる可能性も大いにあるといえるのです。

デメリット

・導入、運用にコストがかかる

高い機能性を持つERPですが、安くても数万円の導入コスト、質を追い求めれば数千万程度の導入コストがかかります。また、導入した後も、実際の運用時に問題があれば、解決するための人員も欠かせません。社内外を問わず、一定の運用コストもかかります。

・徹底した情報の管理が必要となる

一元管理ができる分、情報漏洩対策もよりデリケートに行わなければなりません。機密情報が集約している分、情報を狙われた際には一挙に漏洩するリスクがあるからです。セキュリティソフトだけに頼るのではなく、社員のセキュリティコンプライアンスに対する意識改革など、ツール以外でもリスクの芽を摘み取る必要があります。

・適切な製品の選定に時間がかかる

こちらは「ERP」導入前のデメリットとなりますが、自社に合わない「ERP」を導入すると、パフォーマンスが発揮されず、導入損となってしまうこともあります。そうならないために、自社の課題と、どんな機能があれば解消できるかを事前に適切に把握する手間暇がかかります(後述で、「ERP」の選定基準についてもご紹介します)。

ERPの主な機能

先ほど、ERPは「経営資源」に伴う情報を、一括で管理できると説明しました。では、具体的に、どんな情報を管理できるのでしょうか?

――…この問いに対して、実は明確な答えはありません。というのも、ERP自体は数多の開発社が手掛けており、それぞれ付随している機能が異なるからです。そのため当項では、数多のERP機能の中から、比較的汎用的なものをご紹介します。

財務・会計管理

主に「経理」や「財務」の業務領域を便利にする機能、とイメージすると分かりやすいでしょう。自動で会計情報を入力・管理できるのはもちろんのこと、数値をグラフや表で可視化することでアウトプットをラクにしたり、現状の経営状況の「健康度」をデータから分析したりすることができます。

販売管理

見積、受注、売上請求…「販売」という切り口をひとつ取っても、さまざまな数字が動いています。販売管理機能は、これら販売に伴い動く数字全体を、一挙に管理できます。お金の動きを可視化し分析できるため、販売に伴う作業の効率化を図れます。

購買管理

「いつ」「いくらで」「どのくらい」モノを仕入れるかを管理する購買担当者にとって、重宝する機能です。発注や入荷予定などのスケジュールを管理して発注モレを防げるほか、集約した情報から市場分析にもつながります。

人事管理

ERPの人事管理機能は、主に個人情報におけるデータ管理が中心です。財務・会計システムとの連動によって給与計算を効率化できるほか、従業員個々が入力した勤怠情報の分析によって、働き方改革のサポートツールにもなります。

生産管理

とりわけ、「製造業界」向けのERPに付随している機能です。製造業界のミッションは、「はやく、安く、よりよいもの」を生み出すこと。生産スケジュールを可視化・管理できるほか、財務・会計機能とリンクして製品のロスから損益を反映できる当機能は、生産効率化において大いに重宝されます。

営業・顧客管理

顧客の定量的な情報だけでなく、「どんなプロセスで受注に至ったか」「どんなやり取りを行ったか」「次の提案の見込みはあるか」など、定性的な情報もリスト化・共有できるのがこの機能です。属人化しやすい営業活動ですが、当機能を駆使することで、顧客とのコミュニケーションに役立つだけでなく、ハイパフォーマーの行動・ノウハウを可視化・分析し、売上向上の後押しとなります。

ERPの導入判断軸(1:サーバーの有無)

ERPを検討するうえでの判断軸として、「ERPの種類」は知っておいて損のない知識です。簡単ではありますが、ERPの種類とそれぞれの長所・短所をご紹介します。

まず、ERPは「自社サーバー設置の有無」で、2種類に分けることができます。

クラウド型(またはSaaS型)ERP

サーバーを自社内に置かず、インターネット経由で利用するERPです。「導入・運用の手軽さ」や、「導入コストが安価」なことから、はじめてERPを導入する企業に多く選ばれる傾向にあります。一方で、社外と接続してシステムを利用するため、セキュリティ面で相対的に懸念点が残るデメリットもあります。

オンプレミス型ERP

サーバーを自社に設置し、システムを利用するERPです。外部(インターネット)を経由せず、すべて自社内でシステムを管理・運用するため、とっさにシステムの仕様を変更したくなった時の「カスタマイズ性」や、「セキュリティ・安全性」に優れています。反面、自社内ですべてを賄う分、導入・運用コストの高さや、導入に時間と工数がかかるデメリットもあります。

ERPの導入判断軸(2:既製品とオーダーメイド)

もうひとつ、ERPを区別する軸として「既製品」か「オーダーメイド」かの違いがあります。

パッケージ型

「既製品」として、予め一定の機能が備わっているERPです。導入コストの削減、カスタマイズの手間を省ける点がメリットです。ただし、機能はある程度固定されている分、カスタマイズ性に欠ける側面もあります。

スクラッチ型

ゼロからオリジナルシステムを開発する、いわゆる「オーダーメイド」のERPです。業務や顧客に独自性が強い場合、パッケージでは対応しきれない事例もあります。そんな時、スクラッチは最大のパフォーマンスを発揮します。ただし、ゼロから作る分、相応の時間・コストがかかることは覚悟しておかなければなりません。

まとめ

ERPについて、改めて情報を整理します。

 

・ERPとは:経営に密接した情報を統合・可視化・分析するシステムである

・メリット:企業戦略の質、企業価値、生産性の向上につながる

・選定基準:「目的」「コスト」「導入時間」「カスタマイズ性」の観点から、自社に合った選択を

 

ここまでで、「ERP」の大枠についてご理解いただきました。読者の皆さまの中には、すでに「ERP」の導入検討をいただいている方もいらっしゃるかと思います。

しかし、現場は100社100様であり、どのERPを導入するのが最適解なのか、判断に悩む事例も少なくありません。場合によっては、ERPの導入ではなく、ひとつの領域に特化したシステムの方がよい、というケースもあります。

もし仮に、汎用的な知識で判断することにリスクを感じ、導入に懸念をされているようであれば、第三者目線で客観的に導入判断のアドバイスを仰ぐのも、ひとつの手です。

フリーランスITエンジニア専門エージェント「HiPro Tech」では、上流から企画を立案できるITコンサルタントだけでなく、実際の導入フェーズでERP導入までを実装できるエンジニアたちが集結。IT人材を採用するよりも「早く」「効率的に」ERP導入のアドバイスから運用までサポートを受けることが可能です。

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執筆監修者

記事監修

野村 鉄平

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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