コラム


IT人材不足を解消するために必要な「採用」と「育成」について

2021年03月30日
エンジニア採用

経済産業省が2019年3月に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には約80万人の規模のエンジニア不足が懸念されています。

IT人材不足を解消するために、採用担当者はさまざまな施策に取り組んでいることでしょう。

しかし、思うように優秀な人材を確保できていないのが実情ではないでしょうか。

こうした現状を打開するために、「採用」「育成」へ必要十分なコストをかけ、また、人材確保の方法をより柔軟に検討する必要があるでしょう。

※参考:経済産業省 IT人材需給に関する調査

IT人材が不足している現状

IT人材とは?

IT人材の中でも、スキルレベルには種類や幅があります。

経済産業省では、AIやビッグデータ、IoTなど第4次産業革命に対応したIT人材を「先端IT人材」と分類しています。

一方で、従来から続くシステムの受託開発や運用・保守に対応するIT人材を「従来型IT人材」と位置付けています。

もちろん、IT人材というカテゴリにおいては、先に述べたとおり、将来的に大幅な供給減が発生することは間違いないでしょう。

ただし、その中でも先端IT人材と従来型IT人材の需給バランスを考えた場合、今後は先端IT人材の需要が増え、従来型IT人材の市場規模は減少傾向に転ずるのではないかとされています。

IT需要の伸びや、従来型IT人材から先端IT人材へのスキル転換率にもよりますが、従来型IT人材は、需要より供給が大幅に上回る(余剰が出る)可能性があります。

一方で、先端IT人材の不足は、今後の状況にかかわらず深刻になっていきます。

IT人材不足の需給ギャップは、実質的に先端IT人材の需給ギャップになると考えられています。

IT人材不足の原因とは?

では、IT人材不足を起こした原因は何なのでしょうか。

少子高齢化によるそもそもの働き手不足

理由の1つ目は少子高齢化です。

こちらは、IT業界にかかわらず、日本全体の大きな課題となっています。

業界自体が急成長している

理由の2つ目は、業界の成長です。

経済産業省が公表しているIT関連資料は、経済産業省が作成している『電子商取引市場調査』と総務省が作成している『情報通信白書』の二点があります。

前者は、電子商取引、すなわちEコマースです。

Eコマースの市場は、年々大きくなっており、例えば、BtoC-EC の市場規模は、2010年以降平均5%程度の伸び率で市場規模が大きくなっています。

また、『情報通信白書』によると、移動通信システムの進展はすさまじく、生活基盤を担っており、世界の IoT デバイス数の推移及び予測は常に伸び続けています。

さらに、キャッシュレスの浸透率も非常に高く、事業が開始されてから1.5倍になっているとのことです。

※参考:経済産業省 『電子商取引市場調査』

※参考:総務省 『情報通信白書』

技術の進化が早い

IT技術は日々進化し続けています。

今、トレンドの技術を学習しても、1年後にはまた新たなトレンドが出てきます。

そのため、IT人材は日常の業務をこなしながら、最新技術の習得にも取り組む必要があります。

特にAIやビッグデータやIoTの分野については、プログラミングだけではなく、より専門的な知識を求められるため、扱うことのできるIT人材はまだ多くないようです。

IT人材不足に対しての国の動き

そのようなIT人材業界の人材不足について、国も様々な対策をとっています。

国家試験を設けている

経済産業省は、情報処理推進機構(以下、IPA)による情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験を実施しています。

情報処理技術者試験は、情報技術の基礎として知るべき原理や知識・技能を評価する指標として機能します。

技術者だけでなく、システムを利用する側のエンドユーザーまで、ITに関わるすべての人に向けた試験として実施されています。

情報処理安全確保技術者試験は、サイバー攻撃の増加に対し、サイバーセキュリティのスペシャリストの育成・確保を目的としています。

スキルの指標を設けている

IPAでは、IT人材のスキルを図る指標として、「i コンピテンシ ディクショナリ(以下、iCD)」を提供しています。

iCDは、企業においてITビジネスに必要なタスクと、それを支えるIT人材のスキルを「タスクディクショナリ」「スキルディクショナリ」として体系化したものです。

iCDでは、目的とするタスクに向けて、個人が備えるべきスキルが一目でわかるようになっています。

企業はiCDを目的に応じた人材育成に利用することができます。

キャリアのフレームワークを公開している

高度IT人材のスキルや役割の観点から整理した、共通のIT人材の評価・育成のための枠組みとして、「共通キャリア・スキルフレームワーク」が構築されています。

下記の人材類型と人材像に定義されています。

人材類型 人材像
基本戦略系人材 ストラテジスト
ソリューション系人材 システムアーキテクト
プロジェクトマネージャ
テクニカルスペシャリスト
サービスマネージャ
クリエーション系人材 クリエータ

※参考:『i コンピテンシ ディクショナリ2018 』 IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
※本コラムに掲載している人材類型、人材像は一部を抜粋しています。

ハイレベルな人材の創出を目指す

ハイレベルな若手IT人材の発掘および育成のため、22歳以下を対象とした合宿形式でのセキュリティ講習会「セキュリティキャンプ」、自らプログラミングを学ぶ若者を応援し、発表や表彰する場を提供する「U-22プログラミング・コンテスト」、全国のパソコン部、ロボット部、コンピュータ部などに対して支援を実施する「全国IT部活活性化プロジェクト」などが開催されています。

IT人材不足の解消のための採用と育成

IT人材不足のための採用

IT人材不足解消の手段として、まずあげられるのは採用でしょう。

しかし、現在のIT市場は慢性的な人材不足です。

今の時代は、昔ほど正社員としての雇用にこだわらない人が多いかと思います。

優秀な層ほど、フリーランスとして独立しているケースも多く、自社の社員としての採用は難しくなるでしょう。

自社の社員としての採用を考えるのであれば、採用費を投資するか、もしくは、フリーランスに依頼するという考えも必要です。

IT人材採用からIT人材育成へ

人材不足の改善策として採用以外にあげられる手段は、社内人材の育成です。

社内人材が成長すれば、生産性の向上につながります。

資格取得のための書籍費・受験費の補助や社外研修の受講費用負担など、スキルアップのための費用を補助する、あるいは社内勉強会を行うという方法もあります。

IT人材の働き方の変遷

企業は高度なスキルを持つ人材を求めます。

しかし、そのような人材は希少性が高く、特に今のIT市場は売り手市場です。

営業を行わなくても、ある程度の案件を獲得できることが見込めるようであれば、あえて就職をせずにフリーランスになるという働き方を選ぶ人も多いでしょう。

政府主導で取り組んでいる働き方改革では、副業・兼業という働き方も推進されています。

社外の人材に特定の時間や曜日のみなど、短期的に来てもらうという手段もあります。

オフショア開発という手段もあります。

オフショア開発は人件費を抑えられるほか、人材を確保しやすいこともメリットです。

採用担当者としては、フリーランス、副業・兼業、オフショアなどの雇用形態にとらわれず、高スキルな人材を積極的に確保することが重要でしょう。

高度IT人材を育成・採用するには?高度IT人材と出会う方法

高度IT人材とは?

高度IT人材とは、AIやビッグデータ、IoTなどに対応できる先端IT人材を含め、より専門的かつ高度なスキルを持った人材のことです。

高度IT人材は、システム開発に付加価値を加え、革新的な効率化を生み出し、生産性向上に寄与することができます。

学習意欲が高く、最新のトレンドや時代のニーズに合った技術の習得を常に求める意識の持ち主です。

これから先の日本の高度IT人材不足は深刻であり、高度IT人材の採用や育成は、IT業界の大きな課題であると言えます。

高度IT人材を育成するには?

採用した人材をより優秀な人材へ育成するために、採用と同様に、育成にもコストをかけることが必要です。

長期的に見れば必ずプラスになるはずです。

ここでは、人材育成に有効なOJTとメンター制度について説明します。

OJT

OJT(On-the-Job Training)は、新人教育の方法として、IT業界以外にも導入している企業は多いことでしょう。

OJTは実務をしながら教育を行うので、教育しながらそのまま戦力として数えられます。

大人数で行う研修などに比べて、個々人の成長速度に合わせた教育が行えます。

教える側にとっても、教育の機会は自身のスキルアップにつながります。

いかに分かりやすく教えるかということもOJTの重要な要素だからです。

メンター制度

OJTと同時に取り入れたいのが、メンター制度です。

メンター制度とは、所属する部署の上司とは別に、先輩社員が教育をサポートする制度です。

メンターが疑問点や不安要素をフォローすることで、教えられる側も安心して取り組むことができます。

OJTと同様、メンター自身の成長にもつながります。

メンターに教えられた社員が次のメンターとなり、別の社員を教える。

またその社員が次のメンターとなって別の社員を、という繋がりが生まれます。

これをメンタリングチェーンと言い、よりよい人間関係が構築されるといわれています。

結果として、離職率の低下につながるでしょう。

高度IT人材を採用するには?

はたらく環境や待遇を整える

高度IT人材を採用するためには、給与面はもちろんですが、それ以外にも魅力的な部分をアピールする必要があります。

たとえば、住宅手当や昼食補助、カフェスペース、宿泊施設・レジャー施設の利用割引制度などの福利厚生に力を入れるのもいいでしょう。

また、フレックス制度の導入やリモートワーク環境の整備など、柔軟な働き方が選べると好ましいです。

これらには多額の投資が必要になるでしょう。

しかし、優秀な人材を確保するための経営戦略や採用戦略として、少しずつでも導入を考えるべきでしょう。

フリーランスに依頼をする

フリーランスには優秀な人材が多いです。

高額な案件獲得や契約継続のため、日々学習する必要があり、正社員に比べて学習意欲が高い傾向にあるといえるからです。

トレンドの技術に敏感であり、さまざまな案件を経験することが多いため、案件を通してスキルアップしていきます。

高度IT人材を確保するために、フリーランスに依頼することは非常に有効な手段です。

まとめ

IT人材の採用と育成について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

これからのIT人材の需給ギャップや優秀な人材の採用、社内人材の育成について、理解を深めていただけたのではないでしょうか。

HiPro Techは、当社が運営するフリーランスITエンジニアの専門エージェントです。

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IT人材の確保にお困りの際は、ぜひ「HiPro Tech」にお問い合わせください。

記事監修
パーソルキャリア株式会社 HiPro Techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common(現:HiPro Biz)立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common tech(現:HiPro Tech)サービス責任者に着任。

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