コラム


【誤解されがち?】インフラエンジニアの種類や求めるスキルを解説【具体的な資格も記載】

2021年11月24日
エンジニア採用

クラウドやIoTといった新技術の浸透により、サーバー、ネットワーク、データベースの構築・運用・保守を担当するインフラエンジニアの需要が高まっています。

しかし、ここ数年でインフラエンジニアの活躍範囲は広がっており、スキルの細分化が進んでいます。そのため、これまで以上に「どのようなインフラエンジニアが必要なのか」を定義することが重要になっている状況です。とはいえ、エンジニアの要求値を経験年数で測るケースが多く、具体的に「どういうスキルなのか」を説明するのは難しいのではないでしょうか。

今回はインフラエンジニアの仕事内容から、求めるべきスキル、国家資格・ベンダー資格で分かるスキルレベルをご紹介します。より優秀なインフラエンジニアとプロジェクトを進めていくために、本コラムで必要なポイントを押さえていきましょう。

インフラエンジニアの仕事内容と種類

インフラエンジニアの業務を理解するうえで、よく混同されがちなのがシステムエンジニアです。名称としては前半の単語以外は共通しているため、認識が逆になってしまうことも珍しくありません。インフラエンジニアの仕事内容をより詳しく理解するためにも、まずシステムエンジニアとの違いを押さえましょう。

システムエンジニアとの違い

「●●エンジニア」と呼ばれるポジションは、担当領域ごとに呼び分けられます。インフラエンジニアの場合は「インフラ」であり、システムエンジニアの場合は「システム」です。では、この「インフラ」と「システム」が具体的に何を指すのか、詳しく解説していきます。

システムとは?

IT業界においてシステムは「情報システム」の意味で使われることが多く、PCやネットワークを介して情報の処理・伝達するものを指します。具体的には基幹系システムや情報系システム(人事管理システム、Web会議ツールなど)があります。

システムエンジニアの役割は、前述のシステムを開発するにあたって、クライアントの課題を引き出し、要望に適した仕様のシステムを導き出すことです。「要件定義」「基本設計」「詳細設計」などの上流工程がメインになりますが、プロジェクト規模によっては、本来プログラマーが行う工程であるプログラミングまで行います。

インフラとは?

インフラストラクチャーの略語であり、IT業界では情報システムの基盤となるハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、設備全般を指します。

インフラエンジニアの役割は、情報システムを稼働させるためのITインフラを設計・構築し、正常に動作するかをチェックすることです。業務範囲が広いため、担当領域を細かく分けることもあります。

インフラエンジニアの種類

インフラエンジニアの仕事内容を細分化した場合、主に3つのポジションに分けられます。

サーバーエンジニア

ITインフラにおいて、サーバー機器を専門で担当します。用途やユーザー規模に合わせて、通信速度や電源容量を考慮しながら、サーバーのスペックや台数を決め、配置や配線、運用・保守までが担当領域です。デバイスの種類や情報量が増える、アクセス速度を上げる、セキュリティを強化するといった課題に対して、サーバーの新設入れ替えなどでインフラ基盤を支えています。

近年ではクラウドの登場によって、自社で物理的なインフラを調達・管理するといった作業から、クラウド上での管理に移行する企業が増え、サーバーエンジニアの仕事内容にも変化が生まれているようです。

ネットワークエンジニア

サーバーエンジニアが構築したサーバーを土台として、ネットワークの設計から運用・保守までを行うのが、ネットワークエンジニアです。クライアントの要望に沿ってネットワークの設計図を描き、その仕様に合わせてルーター、Wi-Fiアクセスポイント、ロードバランサなどのネットワーク機器を接続し、管理ソフトウェアの導入・設定を経て、ネットワークシステムを稼働させます。

現在においてネットワーク障害の発生は、企業活動がストップしてしまうほど深刻な事象です。ネットワーク稼働後もトラフィックやログを監視・記録し、トラブル発生時には復旧作業や機器交換などを行うのも、ネットワークエンジニアの役割です。24時間365日ネットワークの安定を保つためにも、ネットワークエンジニアの存在は欠かせないといえるでしょう。

データベースエンジニア

PCを使ってデータの検索・共有・再利用を手軽に行うために、データを整理整頓するのがデータベースエンジニアです。業務内容から3種類に分けられ、OracleやMicrosoft SQL Serverといった製品を使ってデータベースを設計・開発する「ソフトウェアエンジニア」、データベースのインフラを構築・管理する「ハードウェアエンジニア」、データベースの運用からアクセス権やデータバックアップなどの管理面を担う「運用系エンジニア」があります。

近年はビッグデータという大量のデータを使い、事業戦略などに役立てるケースが増えています。データをいかに効率的に集め、分析するかという領域において、データエンジニアが求められるケースもあるでしょう。

この他にも、クラウドサービスの登場でオンプレミス(自社運用)からの切り替えニーズが増し、クラウド環境の構築やクラウドへの移行作業などを専門とする「クラウドエンジニア」といった新たなポジションも生まれています。

また、近年ではクラウドをはじめとしたネットワークの広がりによって、サイバー攻撃による情報流出の危険性が増しています。企業の信頼性を守るためには、セキュリティ面での抜け穴の特定や対策が欠かせません。その領域を行う専門人材として、セキュリティエンジニアを求める声も次第に増えています。

このようにインフラエンジニアの内訳は複雑で、よりニーズのある領域に特化するために転職を選ぶエンジニアもいることから、業務を任せる範囲には注意が必要です。

業種ごとのインフラエンジニアの需要

経済産業省が2016年に公表した資料によると、今後の市場成長の鍵を握るIT人材として、2種類のエンジニアを挙げています。1つがビッグデータ、IoT、AIのサービス化や活用を担う「先端IT人材」、もう1つが「情報セキュリティ人材」です。

この2種類のIT人材は不足傾向にあり、2020年の段階で先端IT人材は約4.8万人、情報セキュリティ人材は約19.3万人の人材が不足すると試算されています。

※出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(経済産業省)

では、インフラエンジニアにおいてはどうなのでしょうか。所属する業種によってもニーズが異なるため、今回は4つの業種についてご紹介します。

情報通信業

近年は5Gの台頭、society5.0の提唱、SaaSサービスやテレワークの普及など、新しい技術が続々と誕生しており、インフラ環境の刷新も必要性が高まっています。AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサービス、Dockerやkubernetesなどの仮想化技術に関する知見が求められており、他業種よりも高度な技術を有したエンジニアが多く所属しています。

製造業

「2025年の崖」による基幹システムの刷新やIoTの導入などの課題を抱えているメーカーでは、モダナイゼーションに向けたオンプレミス環境の改善やクラウド併用の知識を有するエンジニアを求める声が増えています。また、コロナショックで脆弱性が露呈したサプライチェーンの最適化に向けて、データ連携に力を入れている企業も多いです。

金融業

IT技術に着手し、FinTech(フィンテック)領域を拡大している金融業界では、APIなどのシステム連携の知見を持ったエンジニアや、モダナイゼーションを推進するクラウドエンジニアを募集する企業が出てきています。

小売業

コロナショックによって消費者行動が大きく変化し、顧客分析が重要となった小売業界では、データの活用やセキュリティの強化に注力している企業が増えているようです。複数の都道府県に店舗を展開する企業では、AWSなどでグループ共通のクラウド環境を構築するといったニーズも発生しています。

インフラエンジニアに求めるべきスキル

インフラエンジニアに業務を任せる場合、条件として「どこまでのスキルを要求すべきか」の線引きは難しいでしょう。中には「プログラマーやテスターといったIT業界の別職種の方に任せて良いのか分からない」という方もいるのではないでしょうか。今回はインフラエンジニアの業務を依頼するうえで、押さえておくべき最低限のスキルを2点ご紹介します。

ITインフラに関する知識・スキル

サーバー、ネットワーク、データベースなどの仕組み、システム設計、セキュリティ対策、運用・保守に関する技術的な知識やスキルが必須といえます。サーバーであればWindows、Linux、Unix、ネットワークであればシスコ、データベースであればオラクルといった主流の技術に対する知識・スキルは、システム稼働だけでなく改善面でも重要です。専門性も大切ではありますが、複数の技術や製品に触れているエンジニアのほうが、自社に新しいアイデアや刺激を与えてくるでしょう。

コミュニケーションスキル

これは全てのエンジニアに共通していえることですが、自社開発・客先常駐といった環境に関係なく、コミュニケーションをはじめとしたヒューマンスキルは重要といえます。社内やクライアントの要望を正しく理解し、IT技術に落とし込むだけでなく、言語化して相手に説明することも大切です。チームで動く場合には報連相も欠かせません。プロジェクトを指揮する立場であれば、マネジメントスキルも必要となるでしょう。

クラウド環境の構築スキル

レガシーシステムの改善などを目的に、オンプレミスからクラウド環境への移行を検討する企業が増えています。海外の大手テック企業が中心となってサービス普及を進めているため、AWSやAzureなどの知識・スキルの重要度は次第に高まるでしょう。実務経験がなくとも、クラウド環境の構築に関する感度の高さは、指標の1つとして考えてみると良いかもしれません。

資格で分かるインフラエンジニアのスキルレベル

インフラエンジニアを採用する、あるいは業務を外注するうえで、人柄や価値観はもちろんですが、何より気になるのは「どれほどのスキルレベルを有しているか」ではないでしょうか。経験年数やプロジェクトの規模で大枠はつかめるでしょうが、現場によって必要なスキルが異なるため、「本当に求めているスキルレベルに合致しているか」判断できない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、経済産業省が定めたITスキル標準(ITSS)に基づく国家資格のスキルレベルと、近年注目を浴びているベンダー資格についてご紹介します。ぜひエンジニアのスキルを判断する材料としてご活用ください。

情報処理技術者試験

経済産業省が認定する情報処理技術者試験は、デジタル技術における共通の知識を求められる国家資格です。ITスキル標準(ITSS)ではレベル1〜4に該当する試験があります。

  • レベル1:ITパスポート試験
  • レベル2:基本情報技術者試験(FE)
  • レベル3:応用情報技術者試験(AP)
  • レベル4:高度情報処理技術者試験

ITパスポート試験は、IT業界の入門的な資格です。ITスキル標準はレベル1で、「最低限求められる基礎知識」に該当します。経営・システム戦略、プロジェクト管理、システム監査、テクノロジー(セキュリティ、ネットワーク、データベース)の仕組みや理論の基礎的な知識が必要になります。

基本情報技術者試験(FE)は、エンジニアの登竜門として存在し、デジタル技術を活用するうえでの基礎的な知識が求められます。ITスキル標準はレベル2で、「基本的知識・技能」に該当する国家資格です。ITパスポート試験が入門編なのに対して、基本情報技術者試験(FE)はより実践的なスキルが必要になります。

応用情報技術者試験(AP)は、実務経験3〜5年ほどのエンジニアが主な対象とされます。ITスキル標準はレベル3で、「応用的知識・技能」に該当する国家資格です。基本情報技術者試験(FE)の上位資格に当たり、システム開発やインフラ環境の構築といった幅広い領域で、クライアントの課題に合わせて柔軟な対応ができるだけの応用力が必要になります。

高度情報処理技術者試験は、領域ごとにそれぞれ試験があり、「高度な知識・技能」に該当するITスキル標準レベル4の国家資格です。インフラエンジニアの業務に近しい資格は下記の通りです。

  • ネットワーク系:ネットワークスペシャリスト試験(NW)
  • データベース系:データベーススペシャリスト試験(DB)
  • 運用保守系:ITサービスマネージャ試験(SM)

ネットワークスペシャリストの資格を持つエンジニアは、ネットワークの固有技術やサービス動向に精通しているだけでなく、より大規模かつ堅牢なネットワークシステムを構築・運用できます。

データベーススペシャリストの資格を持つエンジニアは、ビッグデータを扱うためのデータベースシステムを構築し、高度な分析基盤を提供できます。

ITサービスマネージャの資格を持つエンジニアは、情報システムを安定的に稼働させ、障害が起きた場合は被害を最小限に抑えるための知識・スキルを有しています。品質の向上やコストの最適化を通じて、IT投資効果を高める存在です。

※出典:情報処理技術者試験の現状と課題(経済産業省)、AI人材育成の取組(経済産業省)

インフラ関連のベンダー資格

国家資格でデジタル技術に対する幅広い知識・スキルが判断できるのに対して、ベンダー資格では特定分野のスキルレベルを把握できます。各領域で有名な資格は下記の通りです。

  • サーバー系:LPIC(Linux技術者認定試験)
  • ネットワーク系:CCNA(Cisco Certified Network Associate)
  • データベース系:Oracle Master/MCP(Microsoft認定資格プログラム)

いずれも主流となるOSやネットワーク機器などの関連資格で、業務との親和性をより分かりやすく判断できます。いくら経験があっても、実際に触るものが異なると指示なしでの対応が難しい可能性もあるため、全面的に任せたい場合は参考にすると良いでしょう。

また、近年はクラウドサービスの需要が高まっているため、中でも知名度の高いAWS(Amazon)、Microsoft Azure、Google Cloudの認定資格に注目が集まっています。これらのサービス利用を検討している場合は、前述のベンダー資格を持つエンジニアのほうが、より自社に合わせた柔軟な対応が期待できます。

より優秀なインフラエンジニアとプロジェクトを進めるためには?

今回はインフラエンジニアの仕事内容、必要なスキル、資格のスキルレベルを中心にご紹介しました。インフラエンジニアは大枠であり、領域ごとに役割が異なります。さらに近年はクラウドや仮想化技術の登場によって、インフラエンジニアの活躍範囲が広がっている反面、必要なスキルを明確化しないと求めているインフラエンジニアと出会いにくい傾向にあります。DX推進に伴い、ユーザー企業側でのエンジニア採用が活発化しており、インフラエンジニアが企業を見る目も以前よりシビアになっている状況です。

大学での学部新設などもあって、新卒でインフラエンジニアを採用する企業も増えてきていますが、研修体制に余裕のある大手企業が中心となっています。中途市場におけるIT人材は他の職種と比べても採用が難しく、水準以上の年収を提示する企業も出ているため、採用競争は激化していくでしょう。働き方の変化により、副業を検討するエンジニアやフリーランスとして働く人材も増えてきているため、プロジェクト単位でのスポット活用もおすすめです。

フリーランスITエンジニア専門エージェント「HiPro Tech」では、インフラエンジニアをはじめ、プロジェクトを統括するPM、要件定義を行うシステムエンジニア、特定領域に特化したエンジニアなど、様々な分野のスキルを有するITフリーランサーが活躍しています。

HiPro Tech登録者層
HiPro Techの登録者割合(2020年12月現在)

当サービスは専門スキルを有するITフリーランサーの活用によって、インフラ基盤の設計・構築における内製化や強化、ノウハウ蓄積の体制づくりなど、社内の開発リソース不足の解決を支援することができます。長期だけでなく、1か月や3か月など、プロジェクトに合わせた利用が可能です。

デジタル改革成功を目指すための足掛かりとして、ぜひ当サービスをご検討ください。

記事監修
パーソルキャリア株式会社 HiPro Techサービス責任者
荒井 雅人

株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)入社後、 人材紹介事業部にてキャリアアドバイザーおよびリクルーティングアドバイザーを歴任。

その後、経営顧問人材による経営支援サービスのi-common(現:HiPro Biz)立ち上げを行い、2020年よりフリーランスITエンジニア専門エージェント事業のi-common tech(現:HiPro Tech)サービス責任者に着任。

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