SESの単価の決め方は?交渉術なども合わせて解説!
SESエンジニアを活用するにあたり、意識しなければならないのは単価です。
単価はシステム開発などの毎月の費用に大きく影響を与えるので、発注側は単価を注視しておく必要があります。
今回は発注者としてSESエンジニアを有効的に活用するために、単価の考え方と単価交渉について解説します。
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SES契約における単価の決め方は?
単価の計算方法
一般的にエンジニアの単価は、1ヶ月あたりの金額で設定されています。
IT業界では「人月単価」と呼ばれる場合が多いです。
例として人月単価の計算式を考えてみましょう。
まず、人月単価を決めるために、1ヶ月の労働時間を定義します。
例えば1日あたりの労働時間を「8時間」と定義して、1ヶ月の勤務日数を20日と仮定すると160時間が1ヶ月の労働時間となります。
ただし、あまりに厳密に定義していると「休暇」「残業」などに対応できなくなります。
そのため、SESエンジニアの労働時間には過不足を許容する「バッファ」が±10時間や20時間で設けられています。
このように労働時間を定義し、この労働時間を元に単価が計算されます。
最終的な支払金額は、「エンジニアに設定された単価」と「希望する労働時間」の掛け算によりまとまります。
例えば「月額60万円のPG」を「1ヶ月」発注すると60万円×1ヶ月で60万円の支払いになります。
「月額80万円のSE」を「80時間」発注すると、80万円×0.5カ月で40万円の支払いとなります。
なお、「エンジニアに設定された単価」はSES企業から提示されるものです。
「○○のスキルを求めています」と問い合わせすると「1ヶ月△△万円です」と回答を得ることができるため、その回答を踏まえ、どの程度の期間や時間働いてもらうのかを考えます。
単価の決定要因とは?
上記で「エンジニアに設定された単価はSES企業で決められている」と説明しました。
基本的に「エンジニアに設定された単価」の金額を左右するのは、本人にどのようなスキルがあるかです。
SES企業はエンジニアからスキルシートの提出を受けていますので、このスキルシートをもとに「〇〇ができる人は月額50万円」「△△ができる人は月額70万円」などと細かくエンジニアを分類しています。
具体的に単価を左右するのは「スキル」と「経験」の2つの観点があります。
まず「スキル」は高いほど単価が高くなることが多いでしょう。
例えば「小規模なアプリを開発できる人」と「大規模なアプリを開発できる人」では保有するスキルが大きく異なります。
一般的には、後者に該当する人のほうが単価は高いでしょう。
また、最先端のスキルを身に着けている人も「スキルが高い人」に分類され単価が高くなるでしょう。
続いて「経験」は「多い人」や「貴重な人」の単価が高まります。
例えば「入社して2年目のPG」と「入社して10年目のPG」では経験が大きく異なります。
この場合は、基本的に後者のほうが単価が高いです。
また、「特定の知識を有している人」も単価が高まります。
例えば「法律対応のシステムを開発した」など、他のエンジニアが持たない経験を持つ人の単価は高い傾向にあります。
注意点として、単価はSES企業が提示してきますので「単価が高い人=仕事のできる人」とは限りません。
「経験はあるが今回の案件とは少しかみ合わない」なども考えられますので、その点は注意が必要です。
単価が上がっていく理由
基本的にエンジニアの単価は「スキル」と「経験」で決まると説明しました。
つまり、エンジニアの単価が上がっていく理由は、このどちらかが変化した場合となります。
例えば「スキル」については「できる仕事の範囲」「専門性」などが単価に影響します。
例えばできる仕事の範囲とは「保守・運用」「プログラミング」「設計」「要件定義」「プロジェクトマネジメント」などが挙げられます。
「システム開発をするだけか」「プロジェクトメンバーをまとめられるか」などの観点からスキルを判断するのです。
そして、一般的には開発だけのエンジニアよりも、プロジェクトマネジメントができるエンジニアのほうが単価が上がっていきます。
また、「経験」については「実務経験年数」「専門分野の経験」などが単価に影響します。
実務経験の年数が長くなると「来年4月からは50万円→60万円にアップします」など金額が変更する場合があります。
また、上記でも触れたように、特定の専門知識があるエンジニアは、経験年数とは別に単価が高くなる可能性があります。
具体的な単価の金額について
株式会社ワンズマインド社の比較BIZによると、SESエンジニアの単価は、PGの場合は下請けか大手企業かで決まるそうです。
また、SEである場合はどこまで経験があるかのレベル分けもあり、経験があり上級者だと単価は高く、初級者だと単価が低くなります。
レベル | 人月単価 |
PG 下請け・フリーランス | 40万~80万円 |
PG 大手企業 | 60万~100万円 |
SE 初級 | 80万~100万円 |
SE 中級 | 100万~120万円 |
SE 上級 | 120万~200万円 |
平均 | 80万~120万円 |
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SES企業と単価交渉する際の注意点
続いては人材を採用したい企業がSES企業と交渉する際の注意点について解説します。
エンジニアの市場価値を見極める
エンジニアの単価は市場価値によって大きく左右されます。
そのため、単価交渉を希望するエンジニアの市場価値を見極めなければなりません。
先ほど説明したとおり、エンジニアの単価はSES企業が決定しています。
この時の決定要素として、エンジニアのスキルや経験が重要視されています。
言い換えると、どの程度のスキルと経験があるかによって、エンジニアの市場価値は大まかに決定されてしまうのです。
もし希望する単価が相場よりも低い場合、「他社ではもっと高単価で発注してくれる」と言われて契約には至らないでしょう。
このような状況は、望ましくありません。
まずはミスマッチを起こさないために、エンジニアの市場価値を知り、求めるエンジニアのレベルを見極める必要があります。
どのような人材が必要かを明確にする
エンジニアはそれぞれ専門分野を持っています。
これを重視してエンジニアを探すために、求める人材を明確にします。
例えば、エンジニアによって扱えるプログラミング言語が異なります。
どのようなプログラミング言語を扱える人が必要か決めておかなければなりません。
エンジニアによって今までの経験も異なります。
また、今までに同じようなシステムを開発した経験を重要視するかなども決めておく必要があります。
必要な人材によって単価相場が異なります。
ここも明確にしておくと、スムーズな交渉の手助けになるでしょう。
予算を具体的に決める
どのような場面でも、SES企業との契約はお金が重要視されることも多いです。
そのため支払える予算をはっきりとさせ、その範囲で交渉する必要があります。
予算は、エンジニア1人の単価と全体の合計の2つの考え方があります。
1つ目は単純に1人のエンジニアにいくらまで払うかです。
「月額70万円まで」などと決めておきます。
2つ目はエンジニア合計の月額単価です。
「4人で月額300万円まで」などと決めておきます。
予算が決まっていなければ、SES企業も適切な提案ができません。
話を効率よく進めるために、支払える予算は初めに提示しておくと良いでしょう。
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