iOSアプリ開発にかかる費用や流れ、言語の選び方など最初に知っておきたいこと
法人から個人向けにリリースされているスマートフォン向けアプリの中でも、トップシェアを誇るiOSアプリですが、その代表例として、オンラインゲームや電子書籍、ECサイトなどが挙げられます。特に、近年の情勢変化に伴う巣ごもり需要や、オンラインとオフラインの統合がトレンド化してきていることもあり、こうしたアプリケーションの開発を検討されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
こと法人の場合、開発に伴い「自社内開発か、外部に任せるか」という論題が上がりがちです。目先のコスト面を気にすると自社内開発の方が当然安く抑えられることは自明ですが、運用を考えるのであれば、その先のメリット・デメリットも見据えた判断を下したいものです。
当コラムではiOSアプリにフォーカスし、上記の悩みを抱える法人をはじめ、自作ではじめてのアプリ開発(とくにBtoC向け)を検討されている方に向け、自社内と外注、それぞれのメリット・デメリットや、実際の開発手順についてご紹介します。
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【HiProTech】
iOSアプリ開発は自社内開発、外部注文どちらがよい?
結論、自社内・外部依頼双方に、長所・短所がありますので、自社の目的を整理したうえで判断することを推奨します。ここではひとつの判断材料として、双方のメリット・デメリットについて触れておきます。
自社内で開発するメリット・デメリット
・メリット
開発時の課題や技術に関するナレッジを蓄積することができます。また、開発中のツールや工程などをイチから把握し自社内で賄えるため、その後の運用・保守から不備改善、顧客の声を反映しやすく、PDCAをより早く回せるメリットもあります。
・デメリット
開発には専門知識を有するため、ある程度の技術力が求められます。専門知識や経験を有する人材が社内にいない場合、すべて手探りで進めなければなりません。総じて、勉強のためのコストや時間がかかるといえます。
アプリ制作会社に外部注文するメリット・デメリット
・メリット
一定のクオリティと、スケジュールが担保されるメリットがあります。今までの実績・ノウハウを自社内に持ち合わせているため、自社内開発と比べると、開発に失敗するリスクは少ないといえます。
・デメリット
相対的に外注分のコストがかかります。シンプルな仕様のアプリ単体でも数十万程度、アプリ開発に加えて、運用に必要なサーバーサイドも開発する場合では数百万程度となるケースもあります。また、開発後も不具合修正や改修を行うケースがほとんどですので、その際にも外注コストがかかることは覚悟しておかなければなりません。
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自社内(個人)でiOSアプリを開発する場合に準備すること
iOSアプリの開発時に必要な、機材・ソフトウェアやスキルセットについてご紹介します。
PC準備(OS)
iOSアプリはMacを活用して開発します。Windowsでは開発できないため、注意が必要です。
ソフトのインストール
iOSアプリを開発する場合、Apple社が無料で提供する「Xcode」という開発ツールが必要となります。App Storeからインストールが可能です。
スキル習得
習得手段としては、書籍の購入ほか、スクールやウェビナーの活用が一般的です。また、下記は開発で抑えておきたい知識・スキルの例となります。
・ソフトウェア(Xcode)
・プログラミングスキル(Swift)
・フレームワーク(swiftUI / storyboard / UIKit)
サーバー環境
アプリの運用時、データ管理のためにサーバー環境が必要となります。レンタルサーバーを活用の場合、月数百円~数万円程度のランニングコストが発生します。
App Store登録
リリース時、App Storeに登録します。こちらも年間参加料として、およそ1万円前後のコストが発生します。
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iOSアプリの開発フロー
上記環境を整えたら、いよいよ開発フェーズです。ここでは、はじめてのアプリ開発を想定し、実際の手順について概要をご紹介します。
市場調査・コンセプト立案
アプリ開発の目的にもよりますが、あくまでも収益化を目的としたい場合は、事前にリサーチで市場ニーズを把握し、ニーズに沿ったコンセプトを立てて開発を行うのが賢明です。
まずは、作りたいアプリのイメージをもとに、想定されるユーザーの属性や生活様式などを想像し、具体的なターゲット像(ペルソナ)を明確にします。併せて、競合となりうるアプリ市場を分析し、差別化できる要素を見出しましょう。
なお当フェーズにおいては、世に出回っているマーケティングの情報を学ぶことで知見を得られるため、より精度の高いアプリを手掛けたい場合は、併せて目を通しておくとよいでしょう。
要件定義
アプリのコンセプトが固まったら、コンセプトを満たすための機能や、構成・導線を考えます。機能・構成を考えるときの手法としては、構成図(ツリーマップ)を用いて図式化すると構想が整理されやすくなります。
なお、ゼロから構成を考えることが難しい場合は、コンセプトが類似しているアプリの構成をひも解き、分析するのも効果的です。ただし、開発時にあまりにも機能性が似通ってしまうと、App Storeの審査申請に引っかかる可能性もありますので、注意が必要です。
設計
要件定義で定めた構成を形作る要素を決定し、システム化するフェーズです。主に、下記の軸をもとに、仕様の詳細を確定していきます。
・デザイン、レイアウト(UI・UXの観点における画面操作の表示など)
・開発環境(使用言語、機器の選定、プログラミングの手順など)
・テスト環境(事前に起こりうるエラーと検出方法、対応策など)
開発・テスト
一般的に、コーディングと呼ばれるフェーズです。設計フェーズで定めた仕様に沿って、プログラミングを施します。コーディングが完了したら、設計通りに作動するか、テストも併せて行いましょう。動作不備がなければ、いよいよリリースです。
リリース
リリースするためには、AppStoreへの申請が必要となります。申請時には審査を通さなければならないため、予めリリース前のスケジュールとして忘れず組み込んでおきましょう。
なお、審査機関においてAppStore公式ホームページでは、「平均50%が24時間以内に、90%以上が48時間以内に完了する」と表明しています。
運用保守
実際にユーザーに利用してもらいながら、PDCAを回すフェーズです。不具合に対する修正対応はもちろんのこと、レビューに対する対応もおろそかにしないことが無難です。というのも、ユーザーはレビューをダウンロード前の指標としてチェックしているケースが往々にしてあります。ユーザーとのコミュニケーションもアプリの成長を押し上げるための大切な要素となりますので、なるべくこまめに対応することを推奨します。
広告
運用保守と並行し、認知を広げるためのPRを行います。PR手法は、オウンドメディアやSNS、アプリのレビュー記事などを活用することが一般的です。また、いきなり課金の要素にウェイトを置いてしまうと、利用までの敷居が高くなってしまうため、ユーザーが少ないうちは、無料で活用できる機能を多くしたり、キャンペーンを打ったりするなど、接点増加の施策を打つことも効果的となります。
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iOSアプリの費用相場
アプリ開発にかかる費用はいくらなのでしょうか。比較biz(※)が発表したデータをもとに見ていきましょう。
※引用元…比較biz「アプリ開発費用|個人で自作すると?開発の手順・ポイント・ツールも紹介!」
<個人で自作の場合>
<外注の場合>
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まとめ
たとえ開発がはじめてでも、一定の知見を身に着ければiOSアプリ開発の内製化は可能です。ただし、高い機能性を求めるのであれば、それなりの技術・知見が必要となります。
もし、開発がはじめての領域であり、かつアプリ開発を短納期で着実に進めたいと思われた場合は、外部の力を借りることも視野に入れる方が堅実といえます。
たとえば、フリーランスITエンジニア専門エージェント「i-common tech」サービスでは、開発フェーズごとの豊富な経験・スキルを有するフリーランスエンジニアが登録しています。
単なる人材不足の補填だけに留まらず、「そもそも何から手を付けていいか分からない」「自社の強みを生かせるアプリの方向性を一緒に考えてほしい」など、企画段階から踏み込んでお手伝いをさせていただくことも可能です。少しでも興味がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。