フロントエンドエンジニアのロードマップ、マップの作成方法や育成なども

フロントエンドエンジニアのロードマップ、マップの作成方法や育成なども

自社でWebサイトやWebサービスを内製化する時に大きな戦力となるのがフロントエンドエンジニアですが、その採用や育成に悩む企業も多いようです。

比較的新しい技術分野であるフロントエンド開発のスペシャリストは、絶対数が少なく、採用も難しくなっています。

本記事では、フロントエンドエンジニアの採用や育成に役立つロードマップについて紹介します。

エンジニアの採用や育成を検討している企業の担当者はぜひ参考にしてください。

フロントエンドエンジニアとは?

まず、フロントエンドエンジニアとは、どのような職種なのかを簡単に解説します。

 

フロントエンドエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニア「フロントエンド」とは、ユーザーがアクセスするWebブラウザ側のことで、通常はブラウザを指します。

ブラウザ側で動作するプログラムを組み込むことによって、デザインや入力補助機能などを提供して快適なユーザー体験を作ります。

 

フロントエンドエンジニアに必要なスキル

HTML/CSS、JavaScriptについて知識があり、CSSのフレームワークやJavaScriptのライブラリなどの知識が求められます。

また、SEO(検索エンジン対策)やUI/UXに関する知識、バックエンド技術の知識もあると理想的です。

 

ロードマップとは?

ロードマップとは、目標までの計画表を指します。

ロードマップを作る場合、最初に決めるのは目標・目的です。

目標・目的を決めたらゴールまでにかかる時間を決め、中間目標も決めます。

中間目標があると、目標までどれぐらい進んでいるのか確認できるでしょう。

最後に現時点で解決しなければならない課題をまとめます。

 

Web系エンジニアのロードマップは日本語が少ない

日本語で書かれたエンジニアのロードマップは少ないため、和訳する手間がかかってしまいます。

このため、英語のまま社内でも利用されているケースが多くあります。

 

独学でも使えるフロントエンドエンジニアのロードマップ

フロントエンドエンジニアを育てるためには、どのような過程で学習・育成をしていけばよいのでしょうか。

これからフロントエンジニアを目指す方や育成する方に非常に参考になるような基本的なロードマップを紹介します。/

前提を覚える

フロントエンドエンジニアになるためには、その前段階としてWebサイト作成のための基本的なことを覚える必要があります。

まずは次のようなものを学習するとよいでしょう。

  • インターネットの仕組み
  • HTTP/HTTPS通信
  • ブラウザの動作、仕組み、役割、種類など
  • DNSの仕組み
  • Webサイトにおけるドメイン名とURL
  • サーバー(ホスティング)とクライアントについて
  • Webサイトの基本構造
  • インターネット上の情報セキュリティ

 

言語を基礎知識として身につける

Webサイトについて理解ができたら、次に実際に作成するためのマークアップ言語やプログラミング言語について学びます。

フロントエンドエンジニアの場合、以下を学ぶのが一般的です。

  • HTML
  • CSS
  • JavaScript
  • TypeScript
  • マークアップの仕方やSEO対策について
  • コーディングルールについて
  • 上記を使ったさまざまなレイアウトの作り方
  • Ajax、APIの仕組み、使い方について

これらの基本については、十分に時間をかけて学ぶことが大切です。

ここを理解できていないまま先に進むと、より高度な技術では理解が追いつかなくなりますし、さまざまなツールの利便性もよくわからなくなる恐れがあります。

書籍やWebサイト、研修を使って学習する場合も実際に手を動かしながら学習しましょう。

また、表現の幅を広げ、プログラミングを効率化するために、ライブラリやフレームワークの使い方も学びます。

こうしたライブラリやフレームワークを利用することでコーディング作業が短縮されるだけでなく、チーム作業時にもコーディングの品質が安定しますのでセキュリティ対策にも効果的です。

  • Vue(ライブラリ)
  • React(ライブラリ)
  • Jest(テスト用フレームワーク)
  • Angular(フレームワーク)
  • BootStrap(CSSフレームワーク)
  • Foundation(CSSフレームワーク)

 

開発に使うツールを覚える

フロントエンドエンジニアの仕事では、作業データのバージョン管理や複数人でのファイル共有や管理が必要になります。

このため、開発用のバージョン管理ツールの使い方も覚えておくとよいでしょう。

また、サービスによってCMSは異なります。

世界的に有名でシェア率も高く、低価格で利用できるものもあれば、国内初でシェア率は低いものの、セキュリティ面が安心で高価格なものもあります。

オリジナル性が高いものであればあるほど、バックエンドで動くPHPやRuby、Pythonなどのプログラムや、MySQL、PostgreSQLなどのデータベースソフトについても理解が必要な場合があります。

自社で開発を行う場合、ある程度開発環境を定めておいた方がノウハウの蓄積や教育がスムーズです。

 

パッケージマネージャを知る

各種ソフトやライブラリの更新や削除などを行うためのパッケージマネージャについても知識があれば、業務の効率化につながります。

 

CSSアーキテクチャを知る

CSSアーキテクチャCSSプリプロセッサも、上級者になるには身に着けておくべきスキルです。

CSSアーキテクチャとは、CSSの設計方法で、命名規則やディレクトリの構成規則などがあります。

エンジニアはチームで仕事をすることが多いです。

その中で、多くの方がCSSを編集して各人に依存するような状況にならないために、各エンジニアにレギュレーションルールを課す必要があります。

 

その他

フロントエンドエンジニアは、その他にもさまざまな知識・技術が求められることがあります。

  • セキュアプログラミング
  • 著作権や個人情報保護法などインターネット関連法律
  • システム開発手法
  • アジャイル開発
  • 単体テスト、結合テストなどのテスト手法
  • プロジェクトマネジメント
  • WebStrageやCookieなどのブラウザでのデータ保存技術
  • いNode.jsなどのサーバーサイドJavaScript
  • コードやファイルの軽量化技術

上記に示した技術のすべてが必須ということはありませんが、知識や技術の引き出しが多いほど、さまざまな案件に対応できるでしょう。

また、バックエンドの技術まで含めて対応できるフルスタックのエンジニアが社内にいれば、開発で非常に頼りになりますので、キャリアの方向性として志向するのもよいでしょう。

また、フロントエンドやWeb開発は技術進歩が早い分野なので、さまざまな新技術やツールが登場しては消えていきます。

1度勉強したものが一生使えるわけではありませんので、継続的に学習してキャッチアップすることが大切です。

 

バックエンドエンジニアとは?

バックエンドエンジニアはサーバーサイドエンジニアとも呼ばれ、ユーザーから目に見えない裏側の処理を開発する仕事です。

PHP・Ruby・Python・Javaなどの言語を使ってユーザーから見えないところでプログラミングします。

会社によって必要な言語は異なりますが、基本的には1つの言語での開発です。

フロントエンドエンジニアからバックエンドエンジニアへのキャリアを進め、フロントもバックエンドもわかるエンジニアになるキャリアを歩む場合があります。

フロントエンドとバックエンドは、その性質上、プロジェクト内でも一緒に扱われることが多いため、両方のスキルがあることでより市場価値の高いエンジニアになるからです。

このことからフロントエンドエンジニアのロードマップの先にはバックエンドエンジニアがあることが多々あります。

 

バックエンドエンジニアの仕事内容

バックエンドエンジニアの仕事内容は以下の通りです。

  • データをフロントエンドと連携する
  • 新規登録や既存のデータをデータベースから持ってきてつなぐ
  • 数式の計算をする

バックエンドエンジニアの仕事は裏側のロジックに関する部分を全て行うことです。

サービスの中心に携わっているため、やりがいを感じるエンジニアは多いでしょう。

 

バックエンドエンジニアに必要なスキル

バックエンドエンジニアには、以下のようにさまざまなスキルが必要です。

このため、フロントエンドエンジニアやインフラエンジニアへ転身しやすいといった特徴があります。

  • PHP・Ruby・Python・Javaなどのプログラミング言語のスキル
  • データベース・サーバーなどの幅広い知識

 

バックエンドエンジニアのロードマップ

バックエンドエンジニアのロードマップはどのようになっているのでしょうか?ここから詳しく見ていきます。

 

前提を身につける

バックエンドエンジニアはフロントエンドエンジニア同様に前提を覚える必要があります。

 

○インターネットの仕組み

バックエンドエンジニアはインターネットの仕組みを理解しなくてはなりません。

Webアプリケーションを実装するためには必要な知識です。

クライアントサーバー方式・ドメイン・IPアドレス・プロトコルなどの必要な基礎知識は習得しておきましょう。

 

○HTTP/HTTPS通信

  HTTPとは、サーバーとブラウザ間で情報をやり取りするプロトコルです。

暗号化してデータを送る場合HTTPSが使われます。

クレジットカード決済、ネットバンキングなどハッキングの恐れがあるものについては、全てHTTPSを通して行われているのです。

HTTP/HTTPS通信は、バックエンドで実装することが多いため必ず覚えておきましょう。

 

○ブラウザの動作、仕組み、役割、種類など

バックエンドエンジニアはブラウザの動作、仕組み、役割、種類などについて知っておく必要があります。

フロントエンドから送られたデータはバックエンドで処理されて、フロントエンドに返す仕組みです。

このため、バックエンドエンジニアはブラウザの仕組みを知らなくてはなりません。

 

○DNSの仕組み

DNSとはインターネットを支える仕組みであり、ドメイン名とIPアドレスを紐づけます。

バックエンドエンジニアはDNSサーバーを構築するため、DNSの理解が必要です。

 

OSについて理解する

OSとはOperating Systemを略した言葉で、代表的なものはLinux・Windows Server・Unixです。

バックエンドエンジニアには、ターミナルコマンド・メモリ・プロセス管理・スレッドの知識が必要になります。

 

データベースについて理解する

バックエンドエンジニアについて最も大事なのはデータベースの理解です。

データベースの設計に関するさまざまな知識・スキルが求められます。

バックエンドエンジニアにとって必須な知識は、データベースを操作する命令文である「クエリ」、データベース構築する場合の「正規化」、データベースの型や制約に関する「データベース構造」などです。データベースの種類はOracke Database・MySQL・PostgresSQLなどがあります。

 

APIについて理解する

APIとはアプリケーションとプログラムをつなげるものです。

バックエンドエンジニアを目指す場合、使いやすいAPIの設計・実装について理解しておきましょう。Web APIやHTTPメソッドを習得する必要があります。

 

プログラミングのスキルをつける

エンジニアはPHP・Ruby・Python・Javaなどの言語を習得する必要があります。

基本的に開発する場合1つの言語で大丈夫ですが、Rubyには初心者が学習しやすいといった特徴があります。

1つの言語さえ学んでおけば、実際の仕事で他の言語にも応用できるでしょう。

 

Web系エンジニアのロードマップを進める時の注意点

書籍に頼りすぎない

書籍だと、活字だらけなので本当のレベルより難しく感じてしまうことがあります。

また、書籍以外にもプログラミングが学べるデバイスがあるので、書籍に固執せず、さまざまな方法を試すのがおすすめです。

 

アウトプットも行う

インプットだけで満足してしまい、定期的にアウトプットしないと長期記憶に定着しない時があります。

よって、定期的に勉強した内容をアウトプットして、長期記憶に定着させましょう。

 

 

未経験で採用してフロントエンドエンジニアを育成することは可能か?

フロントエンドエンジニアは多くの分野の知識や技術が求められるため、自社で育てることは簡単ではありません。

未経験でも1人前のフロントエンジニアを育てるためには、次のようなイメージで採用と育成を進めていくとよいでしょう。

 

○ポテンシャルのある人材の母集団形成

フロントエンドエンジニアは多くの学習が必要なため、人材を適切に選ぶことが大切です。

学習意欲や忍耐力があり、問題解決能力にすぐれた人材を選ぶため、新卒や第二新卒を対象にポテンシャル採用を行うことも1つです。

○エンジニアの文化に適応してもらう

社内にエンジニアがいればその下で教育を行い、社内にいない場合は派遣やフリーランスのエンジニアと組み、業務に参画してもらう方法も効果的です。

○研修で知識をつける

研修は、最新の知識や事例、エンジニアの考え方などを学ぶことができる大きな成長の機会です。

コストもかかりますが、積極的に参加させることで成長も期待できますし、自社へのロイヤルティも高まるでしょう。

 

○フロントエンド実装するための技術確立

フロントエンド実装のための技術は、実際に手を動かしていかなければ身につきません。

サポートを受けながら実際の案件に参加したり、ハッカソンイベントなどに参加したりするとよいでしょう。

さまざまなケースを経験することによって、設計や仕様についても理解が深まります。

 

○独り立ち

ある程度仕事ができるようになったら、少しずつ責任範囲を広げ、案件を任せてみます。

独力で案件を進められることよりも、必要なことを周囲に聞きながら案件を終了させられることが大切です。

 

教育期間

未経験の方がフロントエンドエンジニアとしてある程度の仕事ができるようになるまでには、短くとも半年は必要です。

1人で案件をこなせるエンジニアになれるまでには、2~3年は必要でしょう。

 

エンジニアの未経験者の採用は得策なのか

未経験のエンジニアであっても、採用して教育していけば立派に戦力化できます。

しかし、コストや時間は課題である上に、自分なりの成長をしてしまうことも多いようです。

即戦力を求めている場合や正社員にこだわらない場合には、すでに経験と実績を有しているフリーランスのフロントエンドエンジニアであれば、案件や期間を定めて契約できるため、社員の採用よりも低コストで質の高いエンジニアを活用できます。

案件を任せるだけでなく、社内エンジニアの育成にも効果的です。

 

まとめ

フロントエンドエンジニアは、Wスやアプリのフロントエンド部分を開発するエンジニアです。

Webやシステム開発に関する多くの知識が必要なため、採用やebサービ育成には時間とコストがかかりますが、ロードマップを作っておけば、未経験者であっても、後に戦力化することができます。

当社が運営する「HiPro Tech」のようなフリーランスエンジニア専門のマッチングサービスを利用すると、案件対応やエンジニア育成などのさまざまな方面にハイスキルのエンジニアを活用できて便利です。

長期的に見ると、自社でエンジニアを獲得したい・育てたいという場合でも、急な依頼が発生した場合などは、フリーランスエンジニアの方が適任の場合もあるでしょう。

その場合には、すぐに適任のエンジニアに依頼できるよう、当サービスに登録することをオススメします。

初期費用がかかることはありませんので、お気軽にご登録ください。

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執筆監修者

記事監修

野村 鉄平

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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