DX推進に求めるべき人材像は?職種別に解説
日本経済産業省は、2018年に公表した「DX推進ガイドライン」にて、DXを次のように定義しました。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
参考:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
現市場において、DX推進のための人材は非常に不足しており、獲得に苦戦されている方も多いのではないでしょうか。また、仮に獲得を狙うとしても、職種ごとにどのようなスペック・人物像のDX人材を獲得すべきか、判断基準に迷われている方もいるかと思います。
そこで当コラムでは、「DX人材」を獲得する上でどのような点に留意すべきかを解説していきます。
・DXを推進したいが、専門スキルを持つ人材の獲得に苦戦している
・DX人材の獲得にあたり、判断軸を知りたい
上記のようなお悩みを抱えている方は、ぜひご覧ください。
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「DX人材」の定義
「DX人材」は、DX推進における専門的なスキルを持ち合わせる人のことを指します。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、2020年に公開した「DX 推進に向けた企業とIT人材の実態調査」にて、企業・組織におけるDXの推進を担う人材を、一例として下記7種で定義づけました。
1:プロダクトマネージャー
2:ビジネスデザイナー
3:テックリード(エンジニアリングマネージャー、アーキテクト)
4:データサイエンティスト
5:先端技術エンジニア
6:UI/UXデザイナー
7:エンジニア/プログラマ
出典:「DX 推進に向けた企業とIT人材の実態調査」(独立行政法人情報処理推進機構)資料URLをもとに作成
URL:https://www.ipa.go.jp/files/000082054.pdf
下記からは先述の資料に倣い、7職種の人材に求めるべきスキル・人物像を解説します。
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業種別|DX人材に求めるべき人材像とは
ここからは、先述の調査資料を元に、7つの職種について説明します。
プロダクトマネージャー
「DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材」と定義されています。クライアントの現状や経営方針などから、どのようにデジタルで変革を進めるか大枠で戦略を練ったり、実際に立案したプロジェクトの関係者と連携・指示を出したりしながら、プロジェクト全体の進行をマネジメントすることがミッションです。
■具体的な業務例
・DX戦略立案(例:顧客課題のヒアリング・洗い出し、着地点とマイルストーンの策定など)
・プロジェクト管理(例:予算管理、スケジュールマネジメント、ベンダーコントロールなど)
・社内外連携(例:作業を委託する外部パートナー・ベンダー選定、社内関連部署との連携など)
■求められるスキル・人物像
実務においては、資金・数値管理などのビジネス観点や、自社内外のトレンド・動向にアンテナを張る感度、また、内外問わず関係者を巻き込んで、プロジェクトを完遂に導くリーダーシップを持ち合わせていると、プロジェクトがスムーズに進みます。事業全体を俯瞰的に把握したり、社内外と積極的にコミュニケーションを交わしたりすることに抵抗のない方に向いています。
ビジネスデザイナー
「DXやデジタルビジネス(マーケティング含む)の企画・立案・推進等を担う人材」と定義されています。プロデューサーが大枠での戦略を練るのに対し、ビジネスデザイナーは戦略をより具現化させるための企画立案や、市場の分析活動などを行います。
■具体的な業務例
・戦略企画設計(例:デジタル化計画の立案・要件定義、DXに伴うビジネス・サービスモデルの企画・設計など)
・マーケット分析(例:市場マーケティング、ユーザー調査など)
■求められるスキル・人物像
クライアントのDXに対する課題感は抽象的なことが多く、クライアントとともに棚卸から具現化まで行うことも多くあります。ヒアリングから要件定義、さらには相互の合意形成も欠かせないため、一定のコミュニケーションスキルは欠かせません。また、課題からどう戦略を形にするかの発想力も求められます。
テックリード(エンジニアリングマネージャー、アーキテクト)
「DXやデジタルビジネスに関するシステムの設計から実装ができる人材」と定義されています。上述の2職種に対し、より技術的な側面から、システムを形作るポジションです。
■具体的な業務例
・技術者のマネジメント(例:生産性向上、技術的助言など)
・アーキテクチャ設計(要件を実現するためのシステム構築)
■求められるスキル・人物像
「設計技法」や「知的資産管理」といった技術力は当然のことながら、クライアントやチームメンバー(エンジニア)の要望を引き出すためのファシリテーション力や、コミュニケーションスキルがある方が適しています。また、すり合わせた要件が、どのようなシステムで実現できるかを考える企画構築力を持ち合わせていると、よりアドバンテージとなります。
データサイエンティスト
「DXに関するデジタル技術(AI・IoT 等)やデータ解析に精通した人材」と定義されています。先端技術やビッグデータを駆使し、DX推進の活用材料に変える役割を担います。
■具体的な業務例
・データエンジニアリング(例:データ統計・解析、アルゴリズム実装、コーディングなど)
・コンサルティング(例:予測モデルの作成、データを用いた戦略実装など)
■求められるスキル・人物像
クライアントの課題背景を理解し、解決に導くためにデータを活用するポジションです。情報処理や統計学、人工知能に関する知識はもちろんのこと、課題を整理する力や、解決のためにデータをどのように形にするかを企画する力が求められます。
先端技術エンジニア
「機械学習、ブロックチェーンなどの先進的なデジタル技術を担う人材」と定義されています。一般的には「AIエンジニア」「機械学習エンジニア」「ブロックチェーンエンジニア」等の呼称で知られています。その名の通り、AI・ブロックチェーンそのものの開発や、それらを活用したシステム開発などを担うポジションです。
■具体的な業務例
・AI、ブロックチェーンなどの研究開発・コンサルティング
・AI、ブロックチェーンなどを用いたシステム開発
■求められるスキル・人物像
先端技術(AI、ディープランニング、ビッグデータなど)やブロックチェーン技術に関して、広範囲に渡る知識が必要とされます。また、これらは業界内で注目を大きく浴びている領域ともあり、技術トレンドの変化が早いため、いかに情報をスピーディーにキャッチアップし、自分のものにできるかも問われるポジションです。
UX・UIデザイナー
「DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材」と定義されています。一般的に「Webデザイナー」と呼ばれる職種とも似ていますが、より使いやすさや顧客体験を重視したデザインを考えるのがUX・UIデザイナーです。
■具体的な業務例
・デザインの仕様企画・設計
・デザインのレビュー・改善業務・システム整備
■求められるスキル・人物像
実務では、デザインやインターネット、ウェブについての基礎的な知識や、デザインを実際に設計するための構築技術などが求められます。また、企画時に仕様面の策定からともに関わるケースもあるため、提案経験のあるデザイナーだと、より希少価値が高くなります。
エンジニア・プログラマ
「システムの実装やインフラ構築・保守等を担う人材」と定義されています。一口に「エンジニア」といっても、職種名や役割は非常に多岐にわたります。DXに特化した役割を担っているわけではなく、既存のシステム開発や運用・保守、インフラ整備など、ITに関する全般を広く担っているポジションです。
■具体的な業務例
・システム開発
・プログラミング
・インフラ整備(例:サーバー・ネットワーク整備など)
■求められるスキル・人物像
エンジニア・プログラマの業務範囲は多岐にわたるため、ここではITSS(経済産業省が定めるIT人材に対するスキル体系)の基準をもとに紹介します。必要とされるスキルとして、「テクノロジ」、「ソフトウエアエンジニアリング」、「業務分析」、「コンサルティング技法の活用」、「知的資産管理(Knowledge Management)活用」、「プロジェクトマネジメント」、「リーダーシップ」、「コミュニケーション」、「ネゴシエーション」の9項目が定義されています。
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DX人材を獲得するために
DX人材は非常に需要が高く売り手市場のため、自社内での雇用を検討した場合、よほどの条件を提示できない限りは苦戦すると予想されます。そこで、もう一つの手法として検討できるのがフリーランスエンジニアの活用です。
フリーランスエンジニアは、一定の会社に属しない分、自ら案件を獲得できるだけのスペックを持ち合わせているケースが多く、即戦力としての活躍を期待できます。
特に、要件定義や企画提案など、プロジェクトの上流から踏み込んで課題を解決する力や、AI、IoTといった最新の技術やトレンドを吸収し続ける向上心など、定性・定量面双方においてのコミットメントスキルを持ちあわせていることが特長です。
なお、フリーランスITエンジニア専門エージェント「i-common tech」では、上記のように優秀なフリーランスエンジニアが2,500名以上登録しており(※2021年7月時点)、持ち合わせるスキルも多岐にわたります。
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