エンジニアの人材紹介サービスの手数料の仕組みとは?相場の理解が鍵

パーソルキャリア株式会社が今年5月に発表した「転職求人倍率レポート(2021年4月)」によると、エンジニア(IT・通信)の求人倍率は、8.34。
新型コロナウイルス禍においても、求人倍率は依然として高く、エンジニアの人材確保は難しい状況にあるといえます。
「自社HPや転職サイトに求人を掲載しても、条件にマッチするエンジニアからの応募がない」といった悩みを抱える人事・採用担当者も、多いのではないでしょうか。
そんな時に頼りになるのが、人材紹介サービスです。
人材紹介サービスを活用すれば、即戦力のIT人材を、必要なタイミングで紹介してもらうことができます。
ただし、サービス利用には、紹介手数料が発生するため、採用予算内に収まるか、不安視されている人も多いはず。
そこで本コラムでは、人材紹介サービスの手数料の仕組みや相場などについて、順を追って詳しく解説します。
新しいかたちのエンジニア紹介サービス
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エンジニアの人材紹介サービスの仕組み
現在、さまざまな業界で人材紹介サービスが活用されていますが、本編では、人材確保が困難を極めるIT業界に的を絞り、エンジニアの人材紹介サービスの仕組みについて、ご紹介します。
ビジネスモデル
はじめに人材紹介会社は、「有料職業紹介所」のことを指し、 厚生労働大臣から許可を受け、各種サービスを提供しています。
人材紹介会社のビジネスモデルは、どういったものなのでしょうか。
以下の図(※)を、ご覧ください。
出展:「人材紹介会社と人材派遣会社の違いを解説!」(パーソルキャリア株式会社)
まず、転職希望者を採用し、雇用契約を結ぶのは企業となる点が、混同されやすい人材派遣会社との大きな違いです。
人材紹介会社は、人材を採用したい企業と転職希望者のマッチングを行うことで、両者の雇用契約成立をサポートするサービスを提供しています。
また、企業が人材紹介会社を利用するメリットは、希望条件に沿う人材を、スクリーニングをかけてもらった上で、紹介してもらえること。
これにより企業は、採用にかかる時間と工数を大幅に削減できます。
料金の発生
当然ですが、人材紹介会社のサービス利用には各種料金が発生します。払わないことなしに、サービスは利用できません。
○ 紹介手数料
採用決定時に、人材紹介会社に支払う報酬金のこと。
人材紹介会社の多くは成果報酬型の料金体系を採用しているため、紹介手数料は、採用決定者が入社した時点で支払うのが一般的です。
なお、紹介料は経費となり、勘定科目は支払い先によって異なります。
知人・友人からの紹介など、支払い先が情報提供をビジネスとして行っていない場合は、原則「接待交際費」扱いとなり、ビジネスとして行っている場合は、「支払手数料」「販売手数料」「広告宣伝費」などの科目になります。
人材紹介会社への紹介手数料を「接待交際費」として処理すると、法人税法上の経費として認められないケースがありますので、ご注意ください。
○ 着手金
希少なスキルを持つ専門職やエグゼクティブ層の人材紹介を希望する場合、候補人材のリサーチやヘッドハンティングなどの負担が増します。
その際、紹介手数料とは別に、着手金の支払いを人材紹介会社から求められることがあります。
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人材紹介会社の手数料の相場
入社が決まった時点で、人材紹介会社に支払う紹介手数料の相場についてご紹介します。
転職エージェントで正社員採用支援サービスを活用した際の、紹介手数料の相場は、 「初年度理論年収の35%程度」であるといわれています。
理論年収とは、紹介手数料を算出する際のベースとなる年収であり、以下が計算式の一例です。
「月次給与の12ヶ月分+諸手当(残業代など)+前年賞与」
仮に、月給20万円、諸手当月10万円、前年賞与計2ヶ月分の場合、理論年収は、400万円(月次給与の12ヶ月分240万円+年間諸手当120万円+賞与40万円)となります。
手数料率は人材紹介会社によって異なり、最大50%まで設定可能ですが、あまりに高く設定すると市場シェアを獲得できないことから、現在、30~35%程度が相場となっています。
<補足>
正社員採用支援サービスではなく、ITフリーランサー紹介支援サービスを用いる際も、手数料の基本的な考え方は同じです。
1つ違うのは、理論年収ではなく、理論報酬がベースとなること。
なぜなら、一般的に企業がITフリーランサーエージェントを活用する場合、1年以上の長期雇用ではなく、プロジェクト毎の活用が想定されるからです。
ITフリーランサーエージェントを活用した際の、IT人材の紹介手数料の相場は、 「理論報酬の35%程度」といわれています。
理論報酬は、理論年収と同じく、紹介手数料を算出する際のベースとなる報奨金のことで、 「理論報酬=月額報酬(企業が採用者に支払う給与)×契約期間」となります。
仮に、月額報酬40万円、契約期間6ヶ月の場合、 理論報酬は240万円となります。
アルバイトの場合の手数料は?
人材紹介会社は正社員以外にも、アルバイトやパートの採用にも活用することができます。
そこで、アルバイトを人材紹介会社で募集した際の手数料をご紹介します。
紹介会社によって形式は様々であり、以下のような形式を採用している会社が見られます。
- 1人につき●万円程度
- 給与の●ヵ月分(労働時間など雇用条件によって異なります)
- 予定年収の●%+専門、経験率●%
上記はあくまで一例ですが、さまざまな形式で手数料を設けています。
アルバイトの場合でも、ある程度の手数料がかかり、場合によっては高いと感じるかもしれません。
しかし、人材紹介会社を活用することで、能力やスキルを持った優秀な人材や、企業に合った人材など、求めている人材を探すことができます。
このため、人材紹介会社を活用している企業もあるのでしょう。
しかし、エンジニアにおいてはアルバイトとしての契約は珍しいとされています。
正社員、派遣社員、フリーランスなどの契約で行うことが多いと言えます。
法律から見る各種手数料
人材紹介会社に払う手数料の内訳について、詳細を見ていきます。
○ 上限制手数料
こちらを採用する場合、手数料の上限は11%となります。
仮に雇用期間が6ヶ月以上となる場合には、手数料は6ヶ月間分の賃金の11%となります。
○ 届出制手数料
現在、多くの人材紹介会社が、上限制手数料ではなく、届出制手数料を採用しています。
前述の通り、人材紹介会社によって手数料率は異なりますが、35%程度が相場といわれています。
幹部候補生など、市場で絶対数の少ない希少人材の場合、手数料率が35%以上になるケースはもちろんあります。
また、今後の取引ポテンシャルを加味し、25%~30%以下に低めに設定するケースもあるようです。
○ 求人受付手数料
現法律により、人材紹介会社は求職者から手数料を取ることはできませんが、一部例外があり、それが求人受付手数料です。
求人申込みを受理した場合、1 件当たり710 円、免税事業者は 660 円を上限として、求人者から手数料を徴収できます。
ただし、現在、求人受付手数料を採用している会社はほとんどありません。
人材紹介の手数料はどの勘定科目を使えば良い?
人材紹介の手数料の勘定科目は、支払先などによって異なりますが、人材紹介業者に支払う場合は基本的に「支払手数料」を使用することが多いようです。
「支払手数料」以外になる場合は、支払先が人材紹介業者以外になるケースが挙げられます。
以下にそれぞれの項目に分けて説明します。
- 人材紹介を行っている会社に支払う場合:支払手数料、販売手数料、広告宣伝費など
- 人材紹介を行っていない会社に支払う場合:接待交際費
- 従業員に支払う場合:給与
人材紹介を行っている会社に支払う以外の場合には、いくつか注意が必要です。
まず、人材紹介を行っていない会社に支払う接待交際費は、法人税の税金を計算する際に経費として取り扱われない損金不算入の計算になる点です。
次に、従業員に支払う給与は、源泉徴収の対象になる点です。
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人材紹介サービスでよくあるトラブル
人材紹介会社を活用する中で、よくあるトラブルの一部を紹介します。
手数料・報酬を支払わない
人材紹介会社が企業に人材を紹介したあと、企業が支払うべき手数料や報酬が支払われないというトラブルです。
例えば、経営状況が悪化した場合などが理由で支払いを拒否するケースがありますが、契約を締結している限りは、経営状況の悪化によって支払わないことはできません。
しかし、以下のような事例があると支払いを拒否したい場合もあるでしょう。
人材の早期退職があった
人材紹介会社を通じて紹介されて入社したところ、人材の求める企業と実態が違っていて、3ヶ月以内の早期退職をすることも珍しくはありません。
このような場合には、補償期間や退職までの日数に応じた返金率などの条件に合わせて、人材紹介会社が返金に応じることが多いです。
また、返金以外にも代わりの人材を無償で紹介するなど、何らかの形で補填を受けられる場合が多いでしょう。
もしも人材に早期退職されてしまった場合は、人材紹介会社に掛け合ってみると良いでしょう。
経歴に実情との差異がある
本人が故意に偽ったかに限らず、紹介された人材の職歴が伝えられていたものと違っているなど、結果的に経歴に実情との差異があるというケースがあります。
こうした問題はケースごとに対応が異なり、責任の所在も不確かな場合が多く、人材紹介会社に賠償を求められるとは限りません。
しかし、長期的に見た人材紹介会社と企業の信頼関係によって、補償を受けられる場合もあります。
企業と人材紹介会社の間で交渉や話し合いをして取り決める余地があるケースです。
人材紹介会社を介さず採用する
人材紹介会社から人材の紹介を受け、その後人材紹介会社を介さずに、転職者と内密に採用を決定してしまうというケースがあります。
これは、本来行うべき行動ではないですが、成果報酬のモデルになっている人材紹介のサービスに対して、予算面からそのような行為をしてしまう企業は少なくありません。
このような行為が判明した場合は、違約金を請求されたり、以降は人材紹介会社の利用が難しくなるなど、実際には企業と人材紹介会社にとってデメリットとなるケースが多いです。
このため、よくあるトラブルではあるものの、推奨できるものではないでしょう。
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紹介されたエンジニアがやめてしまった場合
【 紹介されたエンジニアがやめてしまった場合 】
転職エージェントの利用を検討する際、「紹介された人材が、契約期間内にやめた場合はどうなるのか」について、気になるのは、人事・採用担当者にとって当然だと思います。
予め認識しておくべきポイントについて、以下、2つの観点から解説します。
法律上の問題はないのか
労働者には職業選択の自由が憲法で保証されているため、エンジニアが契約期間内に退職することは、法律上、何の問題もありません。
返金はしてもらえるのか
採用決定者が自己都合による早期退職をした場合に限り、返金は可能です。
ただし、返金可能な期間や金額は、人材紹介会社毎の返金規定によって異なるため、事前確認が必要です。
○ 返金規定
前述した、採用決定者が自己都合により早期退職した場合に限り、在職期間に応じて、人材紹介会社に紹介手数料の一部返金などを請求できる規定のこと。
なお、業績悪化などの会社都合の退職の場合、紹介手数料は返金されません。
○ フリーリプレイスメント
紹介手数料の返金ではなく、要件に合う新たな人材を紹介してもらう補償方法のこと。
多くのIT人材を抱える人材紹介会社では、返金規定と併せ、フリーリプレイスメントを用意していることも少なくありません。
返金規定の相場
返金額は人材紹介会社によって変わりますが、以下が相場だといわれています。
< 返金規定の一例 >
- 入社後1ヶ月以内:紹介手数料の80%
- 入社後1ヶ月超3ヶ月以内:紹介手数料の50%
多くの企業が3ヶ月の試用期間を採用していることから、上記の返金規定を設ける企業が一般的なようです。
ただし、前述の通り、返金規定は転職エージェント毎に異なるため、契約書はしっかりと確認しておきましょう。
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手数料が高い場合は交渉可能なのか?
交渉に応じる企業もある
例外的な対応にはなりますが、数パーセントレベルの価格交渉であれば、応じる人材紹介会社も少なくないです。
ただし、割引は求めているスキルと微妙に異なる人材を採用する時など、割引を行うことで企業が納得できるような時の手段であり、基本的には手数料通りでの取引となるでしょう。
さらに、交渉が可能な場合でも、担当者が独断で決めることは難しく、時間がかかることも多いです。
手数料を惜しむと優秀な人材が他社に流れる
場合によっては価格交渉も可能ということを説明しましたが、手数料を惜しむことは逆に優秀な人材の採用から遠のく場合もあります。
人材紹介会社を活用して人材を募集するということは、それだけ価格に見合った人材を求めていると考えられますが、優秀な人材は金額を上乗せしてでも欲しがる企業もあり、人材紹介会社としても人材としても交渉に応じる理由が大きくないでしょう。
数パーセント、数十万円の手数料を惜しんだ結果、満額で支払う他社に人材が流れ、最終的に自社で上がるはずだった数千万円から数億円の利益を損失してしまうことに繋がる可能性も考えられます。
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適切な手数料で契約するために
どのような人材が欲しいのか明確にする
自社の今後の事業成長やプロジェクトに必要のない高いスキルを採用条件に盛り込んだ場合、本来不要な費用がかかり、紹介手数料が高額になる恐れがあります。
本当に必要としているスキルを持つIT人材だけを採用することができれば、採用経費の削減にもつながるでしょう。
人材紹介会社を利用する際には、求めるIT人材のスキルを明確化しておくことを、おすすめします。
相場を把握しておく
採用にかかる費用を抑えるためには、紹介手数料の相場の理解が欠かせません。
前述の通り、初年度理論年収の35%程度が相場であることを念頭に、人材紹介会社の選定を行いましょう。
人材紹介会社以外の選択肢も考える
優秀なエンジニアほど、高額な年収で採用しなければならず、結果的に手数料も高くなってしまいます。
このため、人材紹介会社以外の選択肢を考えることも時には必要です。
エンジニア不足が続く現在、自社の求める採用要件にあてはまる人材は少なく、結果的に高い手数料が必須になってしまいます。
もし人材が定着しなかったら、手数料に投資した意味も薄くなってしまうでしょう。
そこで、派遣エンジニアやフリーランスエンジニアなど、さまざまな選択肢の中から最適な方法を考えましょう。
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まとめ
人材紹介会社のビジネスモデル上、サービス利用時には初年度理論年収の35%程度の紹介手数料が発生します。
ここまでお読みになった人の中には、人材紹介サービスの利用に興味を持たれた人も多いと思います。
そこで、IT人材の活用に注力する、人事・採用担当の人にご紹介したいサービスが、「HiPro Tech」です。
当サービスは、必要な期間とタイミングでエンジニアを活用できるため、正社員採用支援サービスと比べ、「契約期間の途中で離職されて、高額な紹介手数料が返金されない」といったリスクが少ないのが特徴です。
また、「ITフリーランサーエージェントは、短期プロジェクト向けにしか活用できない」、といったご認識も誤りです。
紹介手数料は通算で12ヶ月迄契約可能のため、中長期的にスキルフルなITフリーランサーとの契約も可能です。
条件にマッチするエンジニアを獲得できていないとお悩みの際は、ぜひお問い合わせください。