通年採用でなぜ優秀なエンジニアに出会えるのか?成功のコツと活用法をご紹介

2024.01.29 更新

通年採用でなぜ優秀なエンジニアに出会えるのか?成功のコツと活用法をご紹介

「求めているエンジニアと出会えない」

売り手市場で採用競争が激化している現在。中でもIT業界は、市場の拡大や技術の進歩といった成長の早さも相まって、優秀なエンジニアの獲得は年々難しくなっています。

焦って採用活動を短期化させると、結果的にミスマッチが増える可能性も否めません。厚生労働省のデータを見ても、若手層の平均離職率は32.8%もあります。

新規学卒就職者の離職状況(厚生労働省)
※出典:新規学卒就職者の離職状況(厚生労働省)

さらに新型コロナウイルスの影響で、これまでの新卒一括採用では必要なエンジニアの数と質を保てない企業も出てきました。

「従来のやり方だと、エンジニアの獲得は限界なのかも…」と、人事担当も頭を抱えているのではないでしょうか。

そんな中、次の手法として注目されているのが通年採用です。

エンジニアの通年採用とは

コロナ渦でニューノーマルな働き方が進む今、日本では海外の手法を次々と取り入れるようになりました。通年採用もそのひとつで、新卒・中途を問わず、企業が1年を通じて自由なタイミングで採用を行うことを指します。

テレワーク/リモートワークの急速な普及によって、欧米のジョブ型雇用が注目を浴びたように、新卒一括採用といった日本特有の習慣にも変化が生まれているのです。

新卒一括採用との違い

通年採用と新卒一括採用には、主に三つの違いがあります。

期間

新卒一括採用が約8カ月と限定されているのに対し、通年採用は1年を通じて募集・採用を行います。

人材

通年採用は新卒者だけでなく、留学生・海外大学出身者、第二新卒などの既卒者まで対象を広げ、多様な人材を検討することができます。

スケジュール

就活ルールによって採用スケジュールや内定時期が決まっている新卒一括採用と違い、企業側で自由に調整できます。そのため、余裕をもって採用活動ができる傾向にあるのが大きなポイントです。

入社時期について

通年採用は、1年の中でタイミングを見極めて募集をかけられるからこそ、入社時期を自由に定めることができます。4月に一斉入社というかたちを取らないため、細かい調整が効きやすく、柔軟な活動が可能です。

これまでの価値観に縛られない。それが優秀なエンジニアと出会うための第一歩なのです。

なぜ通年採用は注目されているのか

近年、導入企業が増えている通年採用。そのきっかけは、新型コロナウイルスが日本で猛威を振るいはじめた2020年よりも前にさかのぼります。

2018年の経団連の声明

リーディングカンパニーをはじめ、約1400社の企業が加盟する経団連は、採用の公平性を求め、就活におけるルールを定めてきました。

しかし、2018年3月。いわゆる就活ルールと呼ばれる採用選考に関する指針の廃止が公表されました。これはルールの形骸化だけでなく、経済をはじめとする社会情勢の変化が大きく影響しています。

人口減少による人材不足

少子化によって、労働人口は年々減っています。経済産業省によると、2020年時点で不足するIT人材の数は約30万人。2030年には最大で約79万人にまで達する見込みとなっており、人材の量だけでも確保が難しい状況です。

IT人材需給に関する調査
※出典:IT人材需給に関する調査(経済産業省)

さらに頭を悩ませるのが、人材の質。Society 5.0の未来に向けて、AIやIoTなどのIT技術はどんどん高度化しています。プロジェクトに対して、エンジニアのスキルが上手くマッチしないことも珍しくありません。

これにより、社内で即戦力を求める声が強まっていきます。

企業のグローバル化

インターネットの普及により、国をまたいだビジネスが容易に実現できる世界になりました。人・物・金が国境を越えて盛んに行き来することによって、技術の進歩は驚くほど早まっています。

その一方で、日本独自の習慣が通じないという事態に見舞われました。就活ルールに関しても紳士協定がゆえに、外資系企業に対して効力をもたなかったのです。

グローバル化によって、海外市場を目指す企業が増える反面、優秀なエンジニアの確保もワールドワイドで繰り広げられるようになりました。

通年採用が検討される背景にはこれらの要因があり、新卒一括採用だけでは成長が難しくなったことが挙げられます。

通年採用のメリット・デメリット

通年採用に関して、ここで企業側のメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

応募が増加する

通年採用は新卒者に加えて、中途採用で第二新卒をターゲットにしたり、留学生や帰国子女を対象にした秋採用・冬採用の実施など、選択の幅が広がります。

また、経歴にも多様性が生まれます。TOEICスコアの高いグローバル人材や、複数のIT資格を持つエンジニアなど、新卒一括採用では出会えなかった人材からの応募獲得も期待できるでしょう。

ミスマッチを減らせる

必要なときに必要な人数だけを確保するため、大人数を一斉に集める必要がありません。そのため、採用スケジュールよりも一人ひとりのエンジニアとしっかり向き合うことを重視できます。お互いに理解を深めることでエンジニア側も安心でき、内定辞退や早期離職の予防につながります。

リカバリーしやすい

新卒一括採用では、内定辞退によって採用予定数を下回るリスクがあります。しかし、通年採用では期間が通年のため、時期に左右されることがありません。仮に内定辞退が発生したとしても、すぐに補充計画を立てることができます。

デメリット

採用の長期化

新卒一括採用が短期間の採用活動に対して、通年採用に期限はありません。スポット的に人材獲得が必要となることもあれば、一年間ずっと採用活動を続けている場合もあります。慎重に選考を進めていくことで、人事部の負担が増えてしまうことは否めません。

企業によっては、人事部が社内のバックオフィス業務を兼務していることもあります。他の業務とかぶってしまうなど、タスク管理に注意が必要です。

年間コストの増加

通年採用は、どうしてもコストが高くなりがちです。採用が長引くと、入社時期が分散化してしまいます。企業によっては新入社員が毎月入社するケースもあるでしょう。そうなると研修を都度行う必要があり、結果的にコストがかかります。

また、広告媒体の掲載期間が延びたり、出稿頻度が増えたりと、採用コストも高くなる傾向にあります。

採用難易度の上昇

通年採用は、少なからず新卒一括採用の影響を受けます。新卒者にとっては、新卒一括採用の期限が気になってしまい、通年採用を後回しにするケースがあります。その影響で第一志望から外されるリスクが生まれるため、企業側から積極的なアプローチを取るなど、選ばれるためのアクションが必要となります。

通年採用を成功させるためには

通年採用を成功させるためには

工数やコストの観点から、通年採用を上手に活用するには採用計画と体制構築が重要となります。今回はそのために欠かせないのがポイントを紹介します。

転職者のニーズを把握する

「ビジネスモデル」「市場価値」「人間関係」「働き方」など、重視するポイントは十人十色。職種ごとに比率も違うため、エンジニアという大きな括りで考えるのは難しいですが、可能な限りニーズを把握できるようにしていきましょう。

採用サイトで応募を集める

応募を集めるには、エンジニアが求めていることで実現できる内容を、サイト内で効果的にアピールする必要があります。

市場価値であれば、「上流工程」「最新技術」「大型プロジェクト」をはじめとした複数の選択肢があり、どこに重きを置くかで内容が変わります。

売り手市場では、エンジニアは企業を吟味する余裕があるため、アピール内容も慎重に考えていきましょう。

採用ツールを利用する

より多くのエンジニアに応募してもらうには、ツールの利用も重要です。

求人検索エンジン

求人情報に特化した検索エンジンに採用サイトを連携することで、企業名を検索する以外に、職種名や勤務地などでの流入も期待できるようになります。

オンライン化

面接や説明会をオンラインで実施することで、よりエンジニアの心理的ハードルが下がり、行動に結びつきやすくなります。

動画コンテンツ

文章よりも短時間で大量の情報を伝えられ、写真よりも温度感を表現しやすいため、すきま時間でサイトを閲覧する方の離脱を防ぐことも期待できます。

採用管理システム

応募者の情報や進捗状況などを一元化することで、スピーディかつ柔軟な対応が可能です。

採用エリアを拡大する

DX推進によるテレワーク/リモートワークの普及によって、オフィスに出社する必要性が薄まっています。就業場所を選ばない働き方ができることで、より多くのエンジニアを検討することが可能です。

SNSを上手く活用する

近年はSNSの拡散力やつながりを使って、ソーシャルリクルーティングを行う企業が増えています。中にはターゲットに合わせて複数のSNSを使い分けることもあります。

シェア機能で多くのエンジニアとつながって宣伝を行い、気軽なコミュニケーションで相互理解を深めいけるのが、SNSの大きな魅力です。また、運用は基本無料のため、数十万~数百万円かかる求人広告や人材紹介よりコストを抑えることができます。

受け入れ体制を万全にする

優秀なエンジニアは、いつ・どのタイミングで現れるか分かりません。そのため、企業には入念な準備をしておく必要があります。

  • 面接力を高める
  • 現場との連携を強化する
  • 研修カリキュラムを見直す
  • 十分な資金を確保する

エンジニアをいつでも迎え入れることができる体制づくりに取り組んでいきましょう

まとめ

社会情勢の変化や働き方の刷新により、人材の流動化は加速しています。専門人材を獲得するためには、通年採用をはじめ、様々な手法を検討する必要があるでしょう。正社員という枠組みにとらわれないことも、一つの手段です。

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執筆監修者

記事監修

野村 鉄平

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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