エンジニア育成がなぜ重要なのか/育成計画の建て方や注意点とは
「エンジニアとして採用した若手がなかなか成長してくれない」「即戦力のエンジニアを採用したくても確保できない」「どんなトレーニングをすればエンジニアとして必要なスキルを効果的に身につけてもらえるのかわからない」といったエンジニア育成に悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。
エンジニア育成はポイントをおさえて計画的に実施しなければ、せっかく投資した時間と教育費が無駄になってしまう可能性があります。
そこで今回は、エンジニア育成が大切な理由、教育するときのポイントや注意点、エンジアを育成する際には知っておきたいIT補助金制度などについて解説します。
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エンジニア採用後の育成が大切な理由
経験者の採用は難しいため
近年、エンジニア不足が社会問題になっています。
とくに優秀なエンジニアが減っています。
なぜなら、IT業界の成長速度に人材育成が追いついていないからです。
また、多くの企業が優秀なエンジニアを採用したいと考えるため、人材の取り合いも起きています。
そのため、優秀なエンジニアの採用が難しくなっています。
優秀なエンジニアを確保する方法としては「経験者を採用する」か「自社で育成する」の二択が挙げられますが、経験者採用が難しい企業は自社のエンジニアを育成する選択肢しか選べない場合もあるのです。
自社の理念や方針が教育できるため
自社の理念や方針を教育すれば、行動指針に沿った業務ができるようになります。
そうするとエンジニア同士、同じ価値観や目的を共有することができるようになり、意思疎通が図りやすくなった結果業務効率が向上する場合もあるでしょう。
理念や方針の浸透には、社内の行動規範や判断基準を同一にする目的があります。
組織が大きくなると会社の判断基準を皆が同一に持ち続けることは難しくなる場合もあります。
しかし、そういったシーンでも同じ価値観や判断基準を社員が持ち続けられるように、理念や方針は存在しています。
自社の理念を浸透させることで、社員に裁量を渡して仕事を取り組ませることができたり、エンゲージメントを上げさらなる生産性向上を目指したりすることができるものです。
業務効率を向上させるためにも、自社の理念や方針の教育はしっかり行いましょう。
エンジニア指導者の成長も見込まれるため
エンジニア育成には、エンジニアを指導できる人材が必要です。
エンジニア指導は実務スキル以外にコミュニケーション能力や自身の知識をわかりやすく伝えるスキルが必要です。
また、自分が知らないことを質問された後、それについて調べることで新たな知識がつくこともあります。
このようにエンジニア指導は指導者自身の成長にもつながります。
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エンジニアを育成する計画
具体的にどのような手順でエンジニアを育成していけば良いか説明します。
自社の理念を浸透させる
最初の段階で、自社の理念を浸透させる教育を行い、自社への理解を深めます。
自社の理念は仕事を進めていく中で、基本となる価値観(軸)です。
理念を理解していないと他のエンジニアと価値観や目的などの認識が合わないまま作業をしてしまう恐れがあります。
自社の理念を浸透させることで、他のエンジニアと意思疎通がとりやすくなった結果業務効率向上につながることもあるでしょう。
スキルマップを作成する
スキルマップはエンジニアが保持しているスキルを見える化したツールです。
スキルマップで自社にどのようなスキルを保持したエンジニアがいるかを把握できるため、プロジェクトメンバーの選定時などに活用できます。
また、エンジニアが自身のスキルを把握して「自身の強みをさらに伸ばしていく」「弱点を補っていく」といったように今後のキャリアプランを明確にできます。
育成カリキュラムを作成する
スキルマップでエンジニアが保持しているスキルが把握できたら、育成カリキュラムを作成します。
育成カリキュラムの作成で大事なのは「育成対象者がどのようなキャリアを実現したいか」をしっかりヒアリングすることです。
希望するキャリアを実現できないとモチベーションの低下につながってしまうこともあるかもしれません。
カリキュラムが完成したら、育成対象者としっかり話し合いましょう。
ITの基礎知識や基礎スキルを身に付けさせる
育成方針が決まったら基礎スキルを身に付けてもらいます。
まずは、現場で使用しているプログラミング言語の基礎スキルから習得しましょう。
サンプルプログラムがついている参考書を活用すると効果的です。
参考書の解説を読んだうえで、実際にサンプルプログラムを作成してもらいましょう。
なぜなら、プログラミングは本を読むだけでは理解できないことが多く、実際に手を動かしてプログラムを作成することで理解できるようになるからです。
OJTを行う
ある程度の知識がついてきたら、OJTと呼ばれる実務を通したトレーニングに移ります。
最初は作業に迷わないように、作業指示は具体的に分かりやすく出すように心がけましょう。
作業進捗に遅れが生じても他のエンジニアに影響がないような、プログラムの一部の機能を担当してもらうと良いでしょう。
作業に慣れてきたら、少しずつ裁量権を増やしていき自己解決能力を高めていくようにします。
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エンジニアを育成するポイントや注意点
ポイント
エンジニア育成にあたり、特に重要な三つのスキルを説明します。
プログラミング力
エンジニアの仕事はプログラマーからスタートするケースが多いため、プログラミングは避けては通れないスキルです。
プログラミングにはさまざまな言語があります。
自社で必要となるプログラミング言語が何か明確に伝えておきましょう。
主体的な姿勢
エンジニアは積極的にアイデアを出しあいながら、より良い解決策を導き出します。
そのため主体的な姿勢で業務に取り組むくことが求められます。
性格上、失敗を恐れて積極的に自身のアイデアや思ったことを述べられない人もいるかもしれません。
そのため、失敗や間違いをしてもすぐに否定せず、相手の考えや価値観を尊重しましょう。
主体的な姿勢で業務が取り組みやすい環境作りをすることも大切です。
コミュニケーション能力
開発業務は顧客との打ち合わせやチームを組んでのシステム開発などコミュニケーションが多く発生します。
そのため、プログラミングスキルと同じくらい、コミュニケーション能力が重要です。
クライアントを相手にした場合、会話の中から相手の要望を汲み取り、適切な対応ができなければ顧客が望むシステム開発はできません。
また、チームメンバー間のコミュニケーションが不足した場合、重大なトラブルを引き起こす可能性も考えられるので、こまめにチーム間の連携や意思疎通を図る力をつけることが重要です。
注意点
完全な放置はしない
自分の業務が忙しくなると、育成対象者の教育が疎かになることもあるでしょう。
忙しいタイミングで声をかけられても対応ができないのは仕方ありませんが、放任にならないように一日に一回でも時間を決めてミーティングなどを設定するのが良いでしょう。
育成対象者も質問しやすく、指導者も自身の作業を進める時間を確保できるため効率の良い指導が可能です。
長期的な視線をもつ
「早く立派なエンジニアに成長して欲しい」という気持ちがあるかと思います。
しかし、育成は焦らず長期的な視線で進めましょう。
いきなり多くの教育を受けさせても理解しきれません。
また、エンジニアが負荷を感じてしまう恐れもあります。
常に現状を報告させる
エンジニアの成長度合いを常に把握するために、現状の作業状況や理解状況を報告してもらうようにしましょう。
もし、想定していたものよりも早いペースで成長していれば計画を前倒しにするなど見直します。
現状に沿った最適な育成計画を立てましょう。
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エンジニアの育成には、IT補助金を活用するのも大事
エンジニアの育成には時間や費用がかかります。
育成期間の利益は少なくなるため、自社にかかる負担が大きくなると言えるかもしれません。
こうした負担を減らすために、IT補助金を活用しましょう。
厚生労働省が出している人材開発支援助成金の情報をご紹介します。
(2021年3月時点の情報です)
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、従業員に対して仕事に必要な専門知識や技能を習得させる訓練にかかる経費や賃金を一部助成してくれる制度です。
人材開発支援助成金には7つのコースが設けられています。
ここではITエンジニアに関連する4つのコースについて説明します。
特定訓練コース
「特定訓練コース」は生産性の向上や若年労働者への訓練、グローバル人材の育成を目的とした訓練を行った場に助成を受けられるコースです。
一般訓練コース
「一般訓練コース」は特定訓練コースに該当しない訓練を実施した場合に助成を受けられるコースです。
教育訓練休暇付与コース
「教育訓練休暇付与コース」は有給教育訓練休暇制度(または長期教育訓練休暇制度)を導入して、労働者がその休暇を取得して訓練を受けた場合に助成を受けられるコースです。
特別育成コース
「特別育成コース」は有期契約労働者(契約社員)に対して訓練を実施した場合に助成を受けられるコースです(キャリアアップ助成金の人材育成コースの代わりに新設されたコース)。
生産性に応じて貰える助成金が増える
平成30年4月1日の法令改正によって、特定訓練コースにおいて下記の生産性要件を満たしている企業に支払われる助成金が引き上げられました。
具体的な生産性要件は以下のとおりです。
生産性要件:企業の生産性※が3年前と比較して6%以上増加していること
※生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃貸料+租税公課)÷費用保険被保険者数
このように、エンジニアを育成すれば、自社の生産性が向上するだけでなく支給される助成金の増額にもつながります。
積極的にエンジニア育成をしていきましょう。
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まとめ
エンジニアの育成は、自社の理念を理解してもらったり、OJTで実務経験を積んだり時間と手間がかかります。
また、育成期間中のエンジニアはスキル不足から対応できる案件が限られるため、状況によっては即戦力のエンジニアが不足することも考えられます。
こうした場合に活用できるサービスが「HiPro Tech」です。
当社はフリーランスITエンジニア専門エージェントで、エンジニア育成に必要な研修の手間や時間をかけずに、スキルのあるエンジニアを必要な期間と必要なタイミングで活用できます。
当社では案件募集から契約までの全てサポートを実施しておりますので、フリーランスエンジニアを活用したことがない方でも安心してご利用いただけます。
エンジニア不足でお悩みの場合は、ぜひ「HiPro Tech」にお問い合わせください。